231207 mutek2023 day1 @o-east

 

(tamanaramen)

トレイラーの時点であまり興味を引かれなかったのでスルー。

 

 

YPY & Kodo + Seiichi Sega

 

和楽器バンド+サンプラー的なデジタルの人+VJ。

めっちゃよかった。

最初に和楽器だけで始まってサンプラーの人が加わって、賑やかしに映像があって、というステージだった。

 

ねじり鉢巻にはっぴといういかにもな格好をした三人が太鼓を中心とした和楽器を叩くのがメインなんだがステージには結構たくさんの太鼓が並んでいる。

ステージ手前にはたぶん標準的なサイズの、両腕でぎりぎり抱えられなそうなサイズの太鼓が左、真ん中の2箇所においてある。右手前には水の音に似た特殊な音が出るパーカッションがある。

ステージ奥右には半径1メートルくらいありそうな巨大な太鼓があって真ん中にはサンプラーの人がいる。

そして左奥には標準的なサイズの太鼓が4つで組になっているものがあったのだがこの4つ組の太鼓の人がすごかった。

 

4つある太鼓を高速に正確に抑揚がありつつも激しく叩いていた。

わかりやすくいうと和楽器版のyoshiki。

和太鼓のスキルはカンストしている感じ。

その4つ組の太鼓メインの人は他に篠笛を吹いていたりしたのだが当方が見る限りステージの中心は完全にその人で、その人が演奏しているとステージが活きて止まってると同様にステージも停滞する。

 

和楽器バンドが演奏している時にその人の演奏が止むことはなかったと思うが、一時的にサンプラーの人がソロで演奏する部分があってその時だけは4つ組み太鼓の人の演奏が止んだ。

その間は演奏として全く面白くなかったので勝手に休憩ということにした。

 

ただしサンプラーの人の演奏が駄目というわけではない。

単体で活きる演奏をしていないのもあるが、和楽器の人が素晴らしすぎるのでそれと比べると完全に劣って聞こえてしまうのだ。

ただサンプラーの人は和太鼓の演奏の下敷きとしてかなりいい感じで激しい和太鼓の中に生演奏に不可能なグリッチとかを混ぜたりしていて未来の祭囃子という印象だった。

 

 

映像だが、かなり物凄くこの上なく微妙だった。

内容は斜めに整列された黄金色のドットが2次元ベクターフィールドによって流れるというもの。以上。

動きに抑揚はあるのだが個々のパーティクルの速度は一定でありパーティクルごとに速度を変えるという、まともな感覚がある人ならまず確実にやるであろうこともやっていない。

起こっていることといえばGPUパーティクルをややモーションブラー付きで動かしているだけ。

技術的に見ればそこそこ緩い。

 

gpuパーティクルはunityでやるのは難しいがtouchdesignerでやるのはたいして難しくない。

モーションブラーもフィールドの方向にブラーをかけるだけだと思うので難しくないはず。

つまりvj歴の浅い人でもできる。

たぶんちょっといい感じの活動をしている大学生に頼んでも当たりを掴めば同等以上のことはやってくれるだろう。

なのでこのVJも新人が経験の場をもらった感じなのかなと思ったらなんとその筋では有名な経歴も実績もあるベテラン。

時間なかったんですか?

 

このベテランさんの作品は何度か観たことがあるのだが毎回パーティクルを大量に動かしてウェーイってなってるだけで底はかなり浅い。

今回のVJも最初の数秒見て、多分一生これなんだろうなと思って見てたら実際にその通りだった。

たぶんだけどそのうち色を変えるとかの小細工は見せてくるんだろうなと思ってたら本当に色を変えてきたが、苦しくなってきたのか最初の演出に戻った。

 

日本人技術者にはよくある傾向なのだが個人的なちょっとした技術の達成をした時点で力尽きて肝心の演出が緩い場合がかなり多く、このベテランさんもそんな感じだった。

あの手の映像は3秒見たら全部予想できてしまうし一個も予想を裏切ってくれなかったのでかなりつまらなかったのだ。

あれをやるなら定点スポットライトを置くだけの方がずっと良かったと思う。

あのベテランさんは次回こそはパーティクル以外のものを見せてほしい。一本槍と言えるほど洗練されてないし大して技術レベルも高くないのでそれはただの馬鹿の一つおぼえだ。

無数のパーティクルが出せてテンションが上がるとかTwitterで見たことがあるがそんなものはただの自己満足。

 

 

 

KUTIN & Patrik Lechner

 

轟音にアブストラクトな映像を出す二人組のアーティスト。

全く知らなかったアーティストなのだが純粋に音圧が心地よかった。

 

実のところどんな音だったか具体的にそんなにおぼえていないのだが常に地響きのようなスーパーローを鳴らしホワイトノイズを多重に響かせて音像で空間を構成していたような印象だけはよくおぼえている。

ネットに上がっている彼らの動画を見るとメディアアートの展覧会で使われてそうな静かな音楽が使われているが実際のライヴでは静かな要素は一切なく常に轟音が空間を支配する音像だった。

 

映像は細胞のような生成系ノイズがアブストラクトに動いているだけだったが音との同期が完璧で常に震える空間をそのまま表すかのように映像も常に小刻みに震えている。

ラストまでずっとそれだけだったので細かく演出を変えてるので飽きずに観ていられた。

もっともmutekらしいアーティストだったと思う。

 

ホームページを観るとまた別趣向のライヴ映像が載っていた。そっちも観たいし次回作も観たい。

 

 

(Daito Manabe )

パフュームの演出で有名な人によるA/V ライヴ。

腕は確かなのだが実際にこの人が輝くのは他分野のプロフェッショナルと組んだ時であり個人で活動していると大体微妙な感じになる。

確か一昨年のmutekに出てたと思うがその時はあらかじめ作った映像にあらかじめ用意した音楽にリアルタイムで何となくグリッチを入れていくだけのものだった。

勘違いしてる人は多そうだが映像も音楽もリアルタイムに生成しているわけではない。

その作品の概要として20年前に現れた伝説であるgantz grafへのリスペクトにあふれた作品、という好意的な書き方は可能だがありていにいうとその伝説の単なる劣化コピー作品である。

 

今回のトレイラーを見るとその焼き直し以上のものではなくちょっと見る気になれなかったので帰ってしまった。

別の趣向の作品も見せてくださいよ真鍋さん。

 

 

(SPIME.IM)

トレイラーが良かったので気になってはいたのだが直前特集として放送してたdommuneだとAIを使って遊んでるだけの映像にアブストラクトな音楽をつけるアーティストという印象で、個人的な感覚としてAIを押してる作品は信用できないという定説があり期待値が下がってしまった。

元々のタイテではこっちがトリではなかったので見ようと思っていたのだが真鍋氏の順番が繰り上がったのでトリにきてしまった。なのでスルーした。

 

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