black midi @o-east
このライヴは割と早い時期にソールドアウトしてるんだけどじゃあそういうライヴに行った当方は大ファンなのかというと全くそういうことはない。
主催してるのがbeatIncで紹介のページに貼られてるmvを見たら何やら楽しげだったからちょっくら観てみるかぐらいの気で行った。
なので当方はブラックミディのことは一個も知らない。
知っていることといえば、轟音を響かせるなんかカオスなバンド、くらいの認識だったんだけどライヴを実際に観たところ、なんとその認識で合っていた。
ただしちょっとだけ解像度は上がる。
カオスはカオスなんだがジャズロックをベースとしてメタルとかカントリーとかミニマリズムとか色々な分野をぶち込んでいる。
それを超絶技巧で演奏する。
この説明を聞いて「それってどういうバンド?」と思う人はきっとめっちゃいると思うがそういう人は安心したまえ。その認識で合っている。
試しに聴いてみるとわかるがおそらく聴いた上でどういうバンドかわからないのがブラックミディなのだ。
通常そういう音楽は表舞台に上がってくることはないと思うがブラックミディは演奏技術がかなり高いのでそれをみるだけでも十分面白いのだ。
逆にその演奏技術を見せる目的ならああいう音楽はかなりぴったりくるんじゃないかと思う。
ライヴ会場に着いたのはぎりぎりで会場は超満員だった。年齢層は幅広い。コロナを考慮して人数制限とか言ってるけどそういう気配は絶無だ。
で着いて数分で始まった。
プロレスのイントロみたいな(観たことはないが)盛り上げていく系もアナウンスがあり「英国ロンドンのチャンピオン、ナンバーワンが来たぜ」とか、英語だったのでよくわからなかったけど5分くらいかけて概ねそういうことを言ってた気がする。
でブラックミディの面々が登場。
右からドラム、ギターボーカル、ベースボーカル、キーボードの四人。
四人のバンドだったのか。
キーボードは3つくらい合ったが全部ハモンドオルガンみたいな音で時折ピアノが混じってくる感じ。
ただ大半はディストーションでかき消されているのでソロ以外でキーボードが聞こえてくることはそんなになかった。
音は終始ハイレベルだったが曲が特徴的だった。
基本的にどの曲も口ずさめない。
ライヴが終わって音を思い出そうとするが一個も思い出せない。
特徴がないのが特徴というか、特徴がないのに特徴的というのが特徴というかんじ。
音はひとつひとつどれも粒だって輪郭は鮮やかなのだが曲としての輪郭は一切感じられず、しかし曲としての盛り上がりとまとまりは存在するというよくわからない音楽性だった。
この手の音楽はそれほど好きではないが周りの観客はそうでもないようで大いに盛り上がっていた。
その盛り上がりはブラックミディにも伝わっているようでライヴ半ばで「アリガトウゴザイマース!スゴイデース!ヤバイデース!サイコーデース!!」と日本語で言っていて観客は歓声をもって返していた。
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