221113 Taylor Deupree , Minamo & Asuna , Moskitoo @SHIBAURA HOUSE
テイラーデュプリーは坂本龍一とコラボしたとかなんかで名前だけ知ってるアーティストで、でも音はたぶん聴いたことがなかった。それなら検索すれば聴けるのだが検索するほどの興味もない。
だけどライヴをやるならいってみようかとか思って行ってみた。
ただ先に気づいておくべきだったのだが、今の坂本龍一とコラボするアーティストはどういう音楽傾向を持っていようとアンビエントに回収されてしまうのだ。
ゴリゴリのビートを操るアルバノトだろうが元々アンビエントの傾向の強いフェネスだろうがアンビエントになるのだ。
そもそも坂本龍一とコラボする時点でアンビエントの素養は強いと見るべきでありもちろんテイラーデュプリーもその中に含まれるのだ。そして当方はアンビエントはそんなに好きではない。
会場であるシバウラハウスはガラス張りのホワイトキューブで10 x10 x 10くらいの白い空間だった。
そこにエントランスと物販があって200人くらい分の客席があって珈琲店が出張で居る。
ステージは3組のアーティスト分の機材を置いたテーブルと微妙に入り口サイズより大きい4本の鉢植え。そこに電球が6灯あって音に反応するようになってる。
スピーカーは手前に四つ。
そのステージ的な場所に美女が現れて開幕を宣言し、そのままライヴを始めた。その美女がオープニングアクトのmoskitooだった。
moskitooはほぼ知らないがなんか15年くらい前にデビューしたベテランらしい。
最初は鉄琴のような音をループさせたり物音を乗せていったりして音で空間を作っていきアコースティックギターでメロディをさりげなく鳴らしマイクで声とか歌を入れていく。
そしてベースの音が入って盛り上がっていく。
徐々にリズムが地味に入ってくる。
鈴虫の鳴き声をディレイやグリッチで音楽で再構築してるような印象もある。
派手ではないけどめっちゃいい感じ。
先に言ってしまうがベストアクトだった。
雰囲気があって音楽が最も構成的。電球のオレンジ色の光が背後の壁に青い影を落とし、天井にもモノクロームにしたマリメッコみたいな柄が浮かび上がってビジュアルと音楽で空間ごと作ってるみたいだった。
美女であるmoskitooが機材をいじっているだけでじゅうぶん絵になるのだがそれも含めてとても良かった。
後で知ったが機材は鉄琴とよくわからないボタン式のシンセサイザー、それとギターエフェクター3台とミキサー、マイク、それとマックブック。
テクノアーティストがギターエフェクターを使うことはよくあるのだが使い道は主にリバーブやディレイなどの空間系で歪ませ系はほぼほぼ使われない気がする。
moskitooのギターエフェクターもそんな感じで空間を演出するのに一役買っていたとおもう。
次はMinamo & Asuna だが、このアーティストもそんなに知らない。よく名前を見るがたぶんライブは見たことない。
楽器はやはりギターエフェクターにエレキギター、それとmoogerfoogerというエフェクターがあったりしたがそこから生み出される音は構成がよく見えない感じのアンビエントで控えめにいうと興味がない。芯がない音楽という印象だった。
ラストがテイラーデュプリー。
坂本龍一とコラボしてるくらいなのでやはりアンビエントだった。
ただ、音程は存在していて、リバーブに溶けた数音をループで聴かせて地味に音を加えていく。不思議と芯が感じられる。機材はギターエフェクターとelektronのdigitoneを使っていた。
派手さは全くないがbgmとして聞くならすごく良いのではないかと思う。
で終幕かと思ったらラストに3組のアーティスト全員でセッション。
と言っても全員アンビエントなのでそういう感じの音像になった。
音楽性的にmoskitooが中心にいる形になったように思えた。
moskitooだけ気になったのでこんど音源を探してみよう。