221028 squarepusher @o-east
今日のライヴは元々は一昨年の4月に予定されていたが二度延期して今日になった。
会場はスクエアプッシャー的には微妙に狭く多分キャパは二千人くらい。
延期前の会場が旧studio coastで確かあっちが五千人だということを考えると、今回が2日に分けて開催になったとしても人数減ってんじゃん。
スクエアプッシャーはビジュアルにも力を入れてるアーティストスタジオコーストの方が広さも音質も上なのでそっちでで見たい気持ちはあるがそもそもスタジオコースとはちょっと前に閉館してしまったのでそれは無理な話。
まあライヴ自体はめっちゃ良かったのでありえた別の世界線は気にしないことにする。
どのみち比較せずに見れば良いライヴだったのだ。
今日のライヴは3本立てで、manabe daito, hudson mohawkそしてsquarepusher。
たぶん真鍋氏が最初だと思うのでちょっと遅れて行ったらいい感じに真鍋氏の終わり頃に着いた。
そういうわけでハドソンモホークから観た。
真鍋氏は著名アーティストの名前にあやかってライヴするんじゃなくてそういうアーティストもライゾマもマナベタイトの名前さえ離れたところでかっこいいアルバムを出してからそこに名前を連ねてほしいと思う。(去年のmutekに出ていたがアレは音楽ではなく映像主体だった)
観客の年齢層は高めの印象。一般に年齢の高さとマナーの悪さは比例すると思うがここでもそんな感じ。年がいってそうな人ほどマスクをしていない。お前が一番マスクしてなきゃいけない年齢層なんだよ。頼むからマスクしてくれ。
人の密度も高かった。カナダだと大人気のアーティストでも最前列から数メートルの距離までは特に大きな労力もなくいけたのだが日本だとかなり無理をしないとそれは望めない。日本と海外とでは事情が違うと思う。というかo-eastはコロナ対策として人口密度の調整とかする気はないらしい。もうちょっと疎でよかったんじゃないか?
でハドソンモホーク。
ワープレコードが微妙になり始めた時期にワープレコードから現れたアーティストだがそんなに知らないしちょっと聴いた感じそんなに好きではなかった。
今日のライヴもそんな感じだった。
音数が少なく割とスカスカで音量で押してくる感じ。
メインのシンセのリフとベースのリフにストリングス系の音、それとドラムとしてキックとスネア。
大体これだけでできている。
逆にいうとこれだけで音楽として成り立たせているのですごいかもしれない。好きではないが。
と思ったら後半はドラムの密度が濃くなってかっこよかった。
ドラムンベースとかジャングル系のドラムで普通にかっこいい。
ドラムさえいい感じであれば他に密度はそんなにいらないのかもしれない。
vjはなんか微妙だった。
油絵で書いたような妙にゆるくて濃いイラストとか風景の写真を最近流行りのAIを使って繋げたような動画で、音楽とは特にシンクロはしてなかった。
AIなので絵の変化が侵食していくような変わり方でずっと観ていると気持ち悪くなるしなにより照明がかっこいいのであの映像はなくて良かったんじゃないかと思う。
で20分くらい休憩というかセットチェンジがあってからスクエアプッシャーが登場。
イントロは最新アルバムのミュージックビデオを特に捻らずそのまま流していた。そのmvの監督は真鍋氏なのでこのイントロは真鍋氏への贈り物だろう。
mvの中でスクエアプッシャーの写真が出てきたところで会場が湧いたのが良かった。
そしてmvが終わるとスクエアプッシャーが登場し演奏開始。
入りはなんと4つ打ちドラム。
そこにエレピっぽいリフがあってスネアが入ってだいぶ珍しい。
まあこういうスクエアプッシャーもいいか、と思い踊り始めた辺りで音が止まり、「コンニチワ!」とスクエアプッシャーが肉声で挨拶。
この人の声を聞いたの初めてかもしれん。
そしてまた同じような四つ打ちの音をスタート。
同じ音かーとか思いながらもまあカッコ良くはあるので踊り始め、たところでまた音が止まる。
そしてなんかしゃべってからまた同じ四つ打ちを開始。
流石にもういいし踊れない。
そういうわけでしばらくはいつものスクエアプッシャーとは違う意味で棒立ちで見ていたが、なんていうか、序盤は普通だった。
スクエアプッシャーとして普通なのではなく音楽として普通。
その曲が終わると今度はベースを取り出して弾く。
ベースと生ドラムの音がリンクしていて、まあ音はスクエアプッシャーなんだけど、面白くねえな。
なんか実験的な要素が強いがそういうのは求めてなくて、スクエアプッシャーは緻密なドリルンベースがあってこそだろう。
とか思ってたら来た。
緻密なドラムンベースが。
これですよこれ。
超かっこいい。
やはりこうでなくては。
そこからラストまでそんな感じでもう最高。
来て良かった。
ここ2年くらいスケアプッシャーの音楽をほぼ聴いてなかったのだが改めて聴いてみると色々と見え方が違った。
キックもスネアも常にグリッチ的に細かく鳴らしている印象があったのだがそういうのは実は一部で大部分は割と人力で追えるくらいの密度だった。
キックやスネアは1小節に2、3個で標準的な量。
高域を強調した感じのハイハットが細かく打たれているがそれも16分音符がほとんど。
リリース音(音の響きとか余韻的な部分)は生ドラムでの再現が不可能なレベルで大体短く切られているのだが、音の配置自体は思ったほど細かくない。
なのにあの密度感。
なんなんだろうなアレは。
そういうドラムがありつつシンセのリフと所々でスイッチしつつ展開を進める。
寒暖差が激しくそれがめっちゃかっこいい。
さすがです、トムジェンキンソン。
ラストの曲は緩やかなメロディにスクエアプッシャー的なドラムが入って終了。
と思ったらアンコールがあった。
この手の人は最新アルバムの曲しかやらないと思っていたしaphex twinレベルになると自分の曲すらやらなかったりするが、なんと今日のアンコールは割と昔の曲。
クリスカニンガムが監督をやったミュージックビデオの曲で、曲名は Come on selecter。
ドラムンベースにリズムに乗ってスクエアプッシャーがベースをかき鳴らす。
確かこの人、ベースの演奏レベルが世界レベルなんだっけ。その超絶技巧を見せてくれた。
すげっ。
ラストは序盤にあったベースと生ドラムが同期してるやつを演奏。
come on selecterの繋ぎでやるとこの感じもアリだ。
そして喝采の中で退場。
その後音の余韻が残り続けていたがスタッフっぽい人が出てきて音を止めて、それで終演。
ほんとよかったな。
アルバム買ってないんだけど買おうかな。
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