2019/1/25
objekt / contact
オブジェクトは確かドイツかイギリスのアーティストでhessel audioというレーベルに所属してる気がする。というかこの文章を書き終わったあとでなんとなく検索したらPAN所属とあった。移籍したのか掛け持ちしているのかは知らない。
でmこの人はわりと新しめの人で、ニュースクールをうまくidmに落とし込んだ感じの曲を作るという印象がある。
オブジェクトは実は去年の1月に来日していたらしいのだがそのとき当方はモントリオールに居たので観ることが出来ず、ちくしょう日本め!と悔しがっていたのだがなんと今年の1月にも来日するという。まあ行くよね。
会場につくと入口のドアの奥からごっすんごっすん音が聞こえてて、オブジェクトはたしか一時からのような気がしていたので入ってタイムテーブルを見るとやはり一時からだったので一時半に着いた当方は最初の方を見逃していたことになる。
が、なんと尺が3時間も取ってあるのでこれなら最初の30分はいいか、という気になった。
オブジェクトはやはりメインフロアだったのだが当方が遅れてきたこともあって既にやや混み気味だった。
頑張れば前の方に行ける感じの人口密度。そういうわけで結構前の方まで進んだ。
オブジェクトの曲に関しては実はしばらくのあいだ聴いておらず数年前に何度か聴いて、かなりかっこいいからライヴを観てみたいと思った、という数年越しの思いに基づく動機で来た。
音に関してはただ、かっこよかった気がする、という程度の記憶しかないのでライヴの音を聴いたところで記憶を掘り起こされることはもちろんなかった。なかったのだが今日聴いた音がどうだったかと言うとかっこよかった。
音がかっこよかったのだからそれが新規のものだろうか経験済みのものだろうがどちらでもいい。
で、どういう音だったかと言うと、最初は割と普通めに聞こえた。ぱっと聴いた感じは音の少ない普通の4つ打ち。
しかしなんとなく耳を惹くものがある。
普通に聞こえて耳を惹く音楽はそれほど多くはない。
当日の別の会場でやっていたアーティストの音をなんとなく聞いたがその感じは普通で特に耳は惹かずBGMに近い印象だった。
objektの場合はそうではなかった。なのでよく聴いてみると音のひと粒がobjekt仕様になっていることに気づいた。
このアーティストはドラムに関してはタイトな音を出す傾向があり、単音として取り出した場合それは響くようではなく締まって聴こえる。
それを少ない音数で鳴らされると自然に耳が行きやすくなる。
なんとなく耳を惹く理由は多分それだと思う。
それと構成。
全体を聴いて思ったのだがこの人はループをそれほど長く続けない。
4小節あれば単に拍ごとにバスドラを鳴らすのではなく、4小節目には必ず何らかの変化を入れる。
それは変則リズムだったり逆回しだったりスポットで入る連続したパーカッションだったりするが、それによって飽きづらい曲になる。
その4小節のループも2回ほど繰り返すと別のものに変容する。
微妙なアーティストであれば1分くらいは平気で同じリズムを鳴らし続けるのだがobjektはそうしない。
ただ、一方で音が軽めの印象があった。
軽いと言ってもソフトシンセ的な軽さではない。音がタイトだからなのか、理由はよくわからないが、なんか軽い。
もちろん重低音はあるしベースもゴンゴンなるし床から振動も伝わってくる。
でもなんか軽い。
今日の感じでobjektは隙間を作るのが上手いアーティストだと思ったのだがそれが理由かもしれない。
隙間というのは、常にどの帯域も何処かが空いているという意味で、このobjektらしさが軽さを生み出している一因かもとか思った。
で、そのobjektは前半はかなり良かったんだが後半が微妙だった。
ライヴの構成は割とわかりやすく、最初はテクノ、次がライヴ仕様のobjekt、つぎが音源仕様、そこからドラムンベース、ディスコ、テクノ。
ドラムンベースに関してはヴァイバート先生の領域に踏み込んでたしディスコに関しては、どうせディスコでしょ?という感じなのでobjektがやんなくてもな。
一時間半くらいの名残惜しいあたりで終わっていたほうが良かったかも。
真似したい部分はけっこうあった。次のような展開があったので真似したい。
中音域のシンセでメロディアスな旋律を奏でてしばらくすると低音をガッツリ削った高音域のストリングスが入ってきたが音域がほぼかぶっていないので表と裏のような、うまく分離された音として響いた。
そこにヘリコプターのような音のパーカッションが16部刻みで入ってきたがこれも他の2音を邪魔しない。
そのパーカッションが徐々に高音域を落として音程も下がり、そのまま滑らかに低音域に移行した。
同時にメロディアスな音は消えて、一方で高音域の音は更に低音域を削ることで存在感を落としパーカッションの音が大きなリズムを刻むように音程とフィルターを変化させて存在感を上げ、バスドラのような存在感を持つパーカッションとして響き始めた。
そのうち高音域のシンセ音が消えたが、程なく上から下に下るアルペジエイターのような音がディレイを効かせながら入ってきた。この音は高い音程から低い音程まで奏でるので全体的な音域をカバーする音になった。それをFM音源的に音程感を崩しながら鳴らしたり。
使う音域を決定しておくことで音の区分けがしやすくなるかもしれない。それと裏で鳴る音と表で鳴る音は意識的に使い分けたほうが面白い。
次のような面白い展開もあった。
ある箇所では四つ打ちのドラムが鳴るところへedmでありそうなシンセ音がパーカッション的に入ってきて、しばらくして存在感を安定させたと思ったら突然消えて同時にハイハットが16分刻みで入ってくる。
しばらくするとシンセ音が薄く戻ってきて、ハイハットは弱めの16分刻みから4分の裏拍で鳴り、そのまましばらく変化をもたせながら続いた。
そしてある箇所でドラムが消えてシンセ音だけになりそのシンセ音は音量が上がり強調され、そのまま4小節ほど続くとシンセ音が完全に消えてドラムが激しめに戻ってくる。
機材に関してはレコードを主に使っていたように見えた。
objektの直後のアーティストは名前は忘れたがかっこよかった。
ウーファーをギリギリで鳴らすようなノイズで始まりそのノイズの裏から図太いバスドラがごんごん入ってくる。
そのバスドラに呼応するようにスネアが入ってくるが掻き消されるギリギリのような音の入れ方で、その感じがダウンテンポのようで居てアップテンポのように感じられた。
いい感じだったのでそのまま終演まで居ても良かったが眠かったし電車動きそうだし帰ることにした。
objektが後半ダレたと書いたと思うが実際にダレたのはたぶん当方で、良かったのだがなんとなく聞き流してしまっていた風がある。
普通に考えて金曜の深夜に体力がまともに残っているわけがなく、その状況を考えるなら前半をしっかり聴けただけ良かったのかもしれない。
あと近日中にヤンイェリネックと、別の日にアメリーレンズがcontactに来るらしいのでこれは行きたい。アメリーレンズは去年の6月くらいにモントリオールで観たのだがかなり良かった。また見たいアーティストだし来るならテンションが上がる。過去の日記にそのことを書いてあるのでよろしければそちらを。