2017年は将棋界が大きく動いた年です。将棋ソフト不正使用疑惑で揺れた昨年末、その責任をとって谷川浩司会長が年明け早々に辞任しました。将棋ブログでも、この騒動でどうなるのか不安でいっぱいでした。この騒動は大きな余波がありましたが、佐藤康光新会長が就任しました。

 

さて、このゴタゴタで衰退してしまう可能性が高かった将棋界に救世主が現れました。それが藤井聡太四段です。今では全国の誰でもが知っているといっても過言ではない、史上最年少でプロ入りを果たした藤井聡太四段です。単純に中学生棋士は珍しいというのもありますが、更に加藤一二三九段の持つ最年少記録を62年ぶりに更新したことで期待値は将棋ブログも高まりました。

 

また藤井聡太四段では将棋の最多連勝記録となる29連勝を達成したことでも注目されました。神谷広志八段がもつ28連勝を30年ぶりに破ったことでマスコミも連日、連勝記録を報道し、将棋にまったく興味のない層に深く将棋を浸透させた。もちろん佐藤康光新会長の功績というよりたまたま藤井聡太四段という超大型新人の大活躍におんぶにだっこという感は否めない。

 

しかし叡王戦がタイトル戦へ昇格するなど新しいスポンサーも活発的だ。この勢いが続けば、新聞社に頼りっきりだったタイトル戦も別の分野からのタイトル戦が増える可能性もある。代表格はやはりIT企業だと将棋ブログは見ています。

 

IT企業の代表格は当ブログの運営元のサイバーエージェントがアベマTVで将棋チャンネルを解説し、好評を博していることもあり、サイバーエージェントによるタイトル戦が期待される。サイバーエージェントは子会社も含めて、スポーツなどのスポンサーになっているので、そのポテンシャルは将棋ブログ的には可能性が高いと思っています。

 

このように新しい動きの中で若手のエースが将棋界でも頭角を現してきている。とくに藤井聡太四段の記録更新に刺激されて、菅井竜也七段が羽生善治王位に挑戦した第58期王位戦七番勝負では菅井竜也七段が見事に初タイトルを獲得。初挑戦で王位を奪取した平成生まれのプロ棋士として名を馳せた。

 

また2017年9月は第65期王座戦への挑戦者として中村太地六段が挑む。王位を失冠した羽生善治王座はこの挑戦をどう受けるのか?楽しみである。とくに過去、王座戦、棋聖戦の2タイトル戦に出たものの、結果を出せていない中村太地六段が20代最後に三度目の正直で王座を奪取すると将棋界がますます盛り上がることは間違いない。

 

さらに豊島将之八段も注目株の1人。将棋日本シリーズJTプロ公式戦で昨年、佐藤天彦名人を綺麗に勝った。この勝負を生で現場で見ていたが、どんなに粘りが強い佐藤天彦名人でも勝てない強さを見せつける将棋であった。今年は同じ出身県で後輩になる藤井聡太四段の刺激を強く受けて、名人への挑戦権を狙える順位戦で勝ち続けており、今、最も名人奪取に近い若手のエースである。

 

このほかにもイケメンで注目株は藤井聡太四段の連勝記録を止めたのが佐々木勇気五段。タイトル戦への挑戦はまだないものの、徹底的な研究で藤井聡太四段を圧倒したのは記憶に新しい。

 

将棋ブログが調べた情報では藤井聡太四段の連勝記録を伸ばすことで将棋界が盛り上がるために、八百長をやっているのではないかという疑惑が出ていた。また、そもそも現役のプロ棋士が弱すぎるのではないかという本質的な疑念も多かった。しかし、その空気を読まずに藤井聡太四段を敗北させることで自身の知名度を挙げることに成功。まだエースと呼べる実力ではないかもしれないが、次世代のエースとして期待ができる人材であることは間違いない。


将棋界が大きく動いた年と冒頭で書きましたが、羽生善治二冠が竜王戦に照準を当てて、調整をしているという噂があり、将棋界に激震が走った昨年の張本人である渡辺明竜王と激突することで、さらに流れが大きく変わる可能性も秘めており、非常に目が離せない状況になっている。