石川のブログ

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の手ごたえが、まるでない。
 一つ聞こう、そこの黒い魔術士よ。あの巨漢は何者だ? 包み隠さず話してもらわねば、我々はここで全滅するぞ」
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 ヴェルフラはライフレスに問いただしたが、ライフレスもまた渋面を隠さなかった。

「知らんよ。知っていそうな女は仕留められた。いや、本当に仕留められてはいないだろうが、少なくともここにはいないようだ。
 そうなると誰もあいつの正体を知らん。どうやれば止まるのかもな。そうなると殺すしかないわけだが、そもそも殺せるかどうかも怪しいものだ。見ろ」

 ライフレスが指さした先では、ドラグレオが起き上がろうとしていた。首は折れたそのままで、首がだらりとあらぬ方向に垂れている。その首をドラグレオはしばし探ると、元の位置に戻そうとした。だが折れた首が元に戻るはずもない。

「何やってんだ、あいつ元に戻すつもりか?」
「無理に決まってんじゃん」
「いえ、それはどうでしょうか。もう腕は治っているのでは?」
「そうだ。さっき潰したはずの目も元に戻っていた。つまり――」

 ルナティカが何かを言いかけた時、ドラグレオは首の位置を元の場所に戻すと、頭を一つ上からたたいてその場に固定した。そして首を一つ二つ横にゴキゴキと鳴らすと、くるりと振り向いたのだ。再び赤く光る眼に、全員がぞくりとした。

「あいつ、不死身か?」
「それはないわ。不死身の生物なんて、この世にいないはずよ」
「どうしてそう言い切れる? ここに一人いるではないか」

 ライフレスの言葉に、アルフィリースは静かな目でライフレスを見返した。驚くほど静かなアルフィリースの目に、ライフレスは逆に何も言えなくなっていた。

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「不滅の生物なんていないわ、貴方もそう。どうしてそんなに不滅や不死にこだわるの?」
「魔術士ならば一度は夢見る命題だ。こう見えても魔術士なものでな、不思議はあるまい」
「そんなもの、ありはしない。どうしてかは説明できないけど、それだけはわかる。もし不滅のものがあるとすれば――」

 だがアルフィリースの言葉はドラグレオの咆哮にかき消された。ライフレスがドラグレオの方をふと見ると、またしてもドラグレオは突撃のために地面を踏み切ったところだった。
 そしてその突進を止めたのは再びヴェルフラ。だが今度はヴェルフラも大きく押し込まれる。

「むぅ?」
「うるああぁああああ!」

 ドラグレオがしゃにむに力ずくに押し込むのを見て、ヴェルフラはその力をいなした。たまらずドラグレオは地面に手をついたが、その手をライフレスの魔術が地面に縫いとめた。ドラグレオの両手を杭のような黒い物体が貫き、そのままさらに放射状に小さな糸を出すと、言葉通りに手を地面に縫い付け固定したのだった。

「存分にやれ、女傑よ」
「おおおぉおう!」

 間髪入れず、ヴェルフラは手にしたハンマーをドラグレオの顔面めがけて全力で振りぬいた。鈍い音と、飛び散る血。だがヴェルフラはその手を緩めることなく、三度、四度何十度となく渾身の一撃を叩き込み続けた。あまりの凄まじい攻撃に成り行きを全員が見守ったが、何十度攻撃を打ち込んだか。ついにヴェルフラのハンマーが負荷に耐え切れなくなり、折れてしまった。



「嘘。北で取れる最高の鉄鉱石を、魔術で補強したハンマーが折れるなんて?」
「騒ぐなターシャ。武器など所詮は消耗品、私の体こそが最高の武器なのだから」

 ヴェルフラはその言葉のまま、素手でド

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