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けんた社長のひとりごと(ALS患者の日記)

2019年3月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の確定診断。それからいろいろありました。これまでのこと。これからのこと。今起きてること。中年おじさんが話します。

 

 

 時間があることの良し悪し #15-1

ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたのが2019年3月、それから約4年、人生は大きく変わりました。生活のすべてがベットの上になりました。

この病気になってから、時間というものに色々と感じるようになりました。 

人にとって時間って?

「時間をもてあます」時もあれば、「時は金なり」というような表現で貴重なことと言われることもありますよね。自分にとってどうだったかなと振り返ってみます。

時間があったことでつくづく感じたこと、ALSという病気を自分なりに理解し、現実を受入れるのに必要な時間だったと思います。

ALSと診断されて、最初は病名だけを聞いたことがある程度。医師から説明を受けたり、ネットで検索し情報収集しても得られるのは絶望的なことがほとんど、生命予後は極めて悪い。診断当時はまだまだ身体も動いて、歩きにぎこちなさがある程度、仕事も問題なく出来たし、車も運転出来ました。

こんな状態なのにどうして?

数年で、数ヶ月で、寝たきり状態?

喋れない?

飲めない食べれない?

トイレも自分で出来ない?

まさか?

間違えじゃないの?

 

しかし、身体はじわりじわりと動かなくなり、例えるとバックギアのない、ブレーキもない車が終わりのないゆったりとした下り坂を進んでいるようなんです。

 

だから、体調変わりないか?と聞かれれば、答えづらいんです。

先週と比べたら変わってない、 

先月と比べたらあまり変わったと思わないかな?

三カ月前と比べたら少し悪くなってる。

半年前と比べたらハッキリと悪くなっている。

 

もう、4年の時間が流れました。この四年間の時間は何だったのか?

病気を理解する時間。

極めて厳しい将来について冷静にさせる時間。

死というものを想像する時間。

自分の人生を振り返る時間。

生き方を悔やむ時間。

楽しかったことを思い出す時間。

家族がこの先、困らないようにするためのことを考える時間。

 

ありとあらゆることが出来なくなったけれど、物事すべてを真剣に考えることが非常に多くなった。そして、悔しいけれど、一週間後、一か月後はどうなってるかな?と思えるけど。。半年、一年先のことは考えなくなってる自分がいるんです。それも意外なほど冷静に。

 

この病気になって時間に鍛えられたのかもしれません

 

(このブログについては、自分の対応できる範囲の中で書かせていただいております。そのた

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