山下達郎のライブに行ってきたよ 【2011/11/13 ベイシア文化ホール】 | いつも一人ぼっち・・・ライブ日記

山下達郎のライブに行ってきたよ 【2011/11/13 ベイシア文化ホール】

山下達郎 TATSURO YAMASHITA PERFORMANCE 2011-2012
2011年11月13日 ベイシア文化ホール(群馬県民会館) 2階41列36番


*以下の内容はネタバレを含みます!


達郎氏がネタバレにはご配慮をということなので一言書いておきます。
以下、ネタバレしても大丈夫という方のみ、ご覧ください。


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いつも一人ぼっち・・・ライブ日記


山下達郎のライブに行ってきたよ。
チケットは公式サイト先行で入手。


今回はアルバム「Ray Of Hope」を引っさげてのツアーの群馬公演。
ツアーもまだ今回が3箇所目で、これから来年にかけて60本近く全国を回る予定。
年のことを言うのはアレかもしれないけど、この年でこの気力はホントすごいっす・・・。
そんなたくさんの本数を回るツアーでも、関東公演はチケットがなかなか取れない・・・。
都内での公演はちょー激戦なので、埼玉県民にとっては実は行きやすい群馬公演に行くことに。
せっかく取れたチケットなので、これは楽しまねば・・・。


今回の会場であるベイシア文化ホールはちょっとアクセスが不便。
高崎駅まで出ると電車を乗り換えて前橋駅で下車。そこから20分ちょっと歩くとやっと会場へ到着。
到着したのは開場予定の10分ほど前だったけれども、早くも列ができてる様子。
素直に列に並ぶとほどなくして入場。そして15分ほど物販の列に並んでパンフレットを購入すると席へ。
今回の席は2階席の一番後ろの列。席としては一番悪い席だけど文句は言うまい・・・。
と思ったけど、小さいホールなのでこの席でもステージがよく見えていい感じかも。


席についてステージを見てみると、今回のセットは海の近くの街といった感じ。
ライブ中に達郎本人が言ってたけど、今回のセットは海辺のストリートがテーマだとのこと。
ステージ下手には「MUSIC INN」と看板がかけられた楽器屋、
ステージ上手にはガレージ、そしてそこに収まるギターとトランペット。
が、このギターとトランペットが巨大・・・。ガレージに収まるというかはみ出してる大きさ。
楽器屋のショーウィンドウには楽器が並べられていて、ドブロギターとかがあったかな。
そしてステージ後方にはベイブリッジといった感じの橋が見える・・・。


開演予定時刻を5分ほど過ぎたころ会場の照明が徐々に落とされていき、
聞こえてきたのはあのアカペラのフレーズ。
アルバム「Ray Of Hope」のオープニングと同様に、
「A Ray Of Hope For You,A Ray Of Hope For Me,For Everyone...」というフレーズが、
達郎の一人アカペラで繰り返される。
そしてそのフレーズに乗ってステージセット下手奥の階段からバンドメンバー、
続いて達郎がステージに登場。
スタンバイを済ませると「A Ray Of Hope For You ~」のSEにかぶせるようにイントロがスタート。
1曲目はちょっと意外な選曲の「THE THEME FROM BIG WAVE」。これでライブはスタート。
爽やかなコードと軽快とリズムでオープニングを華やかに彩る・・・。


そして「キターーー!」という感じのおなじみのギターカッティングから「SPARKLE」、
間奏では達郎の「右手と左手、合わせて手拍子!」という言葉から、
お客さんが「パンパン!」という手拍子で答えた「DONUT SONG」と、ライブの定番曲が続く。


次に達郎がギターをエレキからエレアコに持ちかえると「素敵な午後は」、
「すごく好きな曲」という達郎のコメントから「僕らの夏の夢」、
達郎のファンクラブ担当だった女性が寿退社する時に書いた曲で、
ループっぽいリズムの打ち込みに乗って始まった「プロポーズ」と、
ちょっと静かな感じの曲が続く。


と思ったら、ここからが濃い・・・。ファンク達郎が炸裂。
達郎のギターのカッティングから始まった「SOLID SLIDER」、
そしてアルバム「Ray Of Hope」の中である意味目玉曲ともいえる「俺の空」と続く。
「SOLID SLIDER」はSAXと鍵盤の長いソロ回しもアリ。
鍵盤のソロは難波弘之がお得意のオルガンを弾きながらのユニゾンのスキャットを披露。
「俺の空」は達郎の「プロポーズは女性に人気のある曲みたいだけど、
男性が聞きたい曲といえばこの曲でしょう」という話からスタート。
間奏では達郎とギターの佐橋佳幸がソロでハモリ、そしてソロの掛け合いも。
達郎がマイナーペンタで押しまくる姿・・・。ブルースだ・・・。
ちなみにこの時は二人ともピック弾きではなく指弾きでした。
そして曲の最後にちょっとやさぐれた言い方で「返せよ、このヤロウ!」の一言も。


そんな感じで濃い曲が続いたところで、
次の曲シュガー・ベイブの「雨は手のひらにいっぱい」で会場は一気にポップな雰囲気に。


そしておなじみ一人アカペラのコーナーへと突入。
MCで「今回のステージセットは海辺のストリートがテーマなんだけど、
私の好きなドゥーワップはもともと、そういうストリートから誕生した音楽で、
今回はそのストリートで歌ってる感じを再現してみようと」という話から、
PAを使わずにステージ上にセットされたラジカセからの音をバックにオフマイクの生声だけで、
「DON'T ASK ME TO BE LONELY」を披露。
そして途中からラジカセと達郎の歌声がオンマイクになりPAから音が。
ちょっとこれはなかなか面白い演出だったかも。
で、驚いたのが達郎の生声。2階席の一番後ろでもよく聞こえた・・・。
あまりによく聞こえたのでオフマイクとはいえ、
ちょっとだけマイクに声が乗ってんじゃないの?とか思ったけど、曲後のMCで達郎から、
「昔ながらのホールは生声でも一番後ろの人が聞こえるように設計されてる」という言葉があったから、
本当にラジカセと生声だけだったのかな。


引き続き一人アカペラの「おやすみロージー」「Have Yourself a Merry Little Christmas」と続くと、
「ジョーイトゥーザワールド♪」のアカペラの後に聞こえてきたのはあの曲のイントロ・・・。
次はまだちょっと時期が早い感じもする曲「クリスマス・イブ」。まあ、お約束の曲ということで・・・。
そしてリズムがブレイクして間奏の一人アカペラ状態になると、
会場が暗転してステージセットにいっせいに電飾がともる・・・・。
ステージ上手の巨大ギターと巨大トランペットにも電飾がピカピカ。


クリスマスソングが続き会場の雰囲気がパッと明るくなったところで次はグッと雰囲気を落として、
途中に「蒼氓」のフレーズを挟み込んだりした「希望という名の光」、そして「さよなら夏の日」へ。
MCでは今まで書いた曲の中で、震災後に最初に作った時から曲の意味合いが変わった曲があるという話。
「希望という名の光」もそういう曲の内の一つだそうで。


そしてここからは、ライブ後半の盛り上げタイム。
まずは達郎の軽快なギターカッティングからシュガー・ベイブの「今日はなんだか」でスタートすると、
「LET'S DANCE BABY」「高気圧ガール」「アトムの子」とお馴染みのライブの定番曲を連発。
「LET'S DANCE BABY」ではもちろん、曲中の「心臓に指鉄砲♪」でお客さんがクラッカーを鳴らす。
そしてこの曲を合図にするかのように立ち上がって盛り上がるお客さんも多数・・・。
ひとしきり盛り上がったところで、これで本編は終了。


そしてアンコールに答えてバンドメンバーと達郎がステージに再登場。
アンコールは「街物語」でスタートし「RIDE ON TIME」、
そしてアン・ルイスに提供した曲「恋のブギ・ウギ・トレイン」と続く。
「RIDE ON TIME」ではメンバー紹介から各楽器のソロ回しもアリ。
そのソロ回し、ベースの伊藤広規がジミヘンのパープルヘイズのリフを弾いたりも。
最後はお決まりの達郎がマイクから遠く離れたところからフェイク、
そして拡声器を持ち出してのフェイクとコテコテのままエンディングへ。
最後はバンドメンバーと達郎が前に出てきて肩を組んで一礼。
これで終わりかなぁと思うも、お客さんの拍手を受けて(という体で)もう1曲。
たぶん、レアな曲だと思われる「恋のブギ・ウギ・トレイン」。
途中には達郎のカッティングソロタイムも。
かなりの長い尺をカッティング一発だけで魅せる達郎・・・。
アップテンポな曲でひとしきり盛り上がって、
いつものお約束もきっちり済ませたところで達郎を残しバンドメンバーは退場。


達郎からの「つらい時代だけど、お互いがんばっていきましょう!」という熱いメッセージの後、
最後はSAXと一人アカペラのオケに乗って「YOUR EYES」を熱唱すると、これでアンコールも終了。
達郎がマイクスタンドに立てかけてあったミニタンバリンを客席へ投げて、
お客さんに一礼して退場するとライブも終了。
3時間10分ものライブでした。


ということで、もう、お腹いっぱい・・・。
約3時間もの間、達郎ワールドを満喫できたライブでした。
音楽がいいのは当然として、MCもまた達郎ワールド全開。
これがまたよく練られた話でまるで漫才のネタみたいな感じ・・・。


セットリストの方はいつもの定番曲プラス、ニューアルバム「Ray Of Hope」の曲からといった感じ。
意外な選曲と言ったところでは、
「THE THEME FROM BIG WAVE」「素敵な午後は」「雨は手のひらにいっぱい」「恋のブギ・ウギ・トレイン」
といったところだったのかな?
一応、「THE THEME FROM BIG WAVE」「素敵な午後は」は、
アルバム「Ray Of Hope」に付属の「JOY1.5」に収録されていたけど。
そしてポップ職人達郎とは違うもう一つの達郎の顔、ファンク達郎な曲は今回は「SOLID SLIDER」でした。
鍵盤とSAXのアドリブソロも楽しめたし熱かった・・・。
それと、アルバムからのファンクな目玉曲といえば「俺の空」。
オートチューンこそさすがにライブではかけてなかったけど、泥臭いファンク臭がプンプンな曲でした。
達郎とギターの佐橋のソロのかけあい、ハモリのツインリードも見所だったかな。


達郎の声の調子はというと、過去2回見たツアーよりも調子よさそうな感じ。
お得意のフェイクも何度も炸裂したし、低音から徐々に音程上げて高音に抜ける歌い方、
ポルタメントって言うのかな?ああいう歌い方もバッチリ決まってたし。
これも音がよかったからそう感じたのかもしれないけど。
そしてやっぱり、ギターのカッティング、うめぇ・・・。


そしてやっぱりバンドが素晴らしい。メンバーはここ最近のメンバーとほぼ変化なし。
ただ、SAXだけは若い人が今回新たに加入。宮里陽太という28歳のジャズプレイヤーだそうです。
バンドメンバーの長いソロ回しもあったりして、楽器好きの人も楽しめたでしょう。
ベースの伊藤広規が「クリスマス・イブ」でシンセベース?のペダルを踏んでるのが見えたりも。
それと、前々回のツアーから参加してるドラムの小笠原拓海のプレイがビシビシ来た・・・。
達郎がMCで「うまい」とは言ってるものの、
正直過去2回のツアーではイマイチ、プレイヤーとしての魅力が伝わってこなかったんだけど、
今回はカッコイイなぁと思った箇所が何箇所も。
ドラムの音が大きめor音がよかったからなのかなぁ。


そう、今回のライブはすごい音がよかった印象。
音量のほうも渋谷陽一がちょっと前に言ってた様に「適切な音量」だったし、なにより、各楽器がよく聞こえる。

特にリズム隊の音がカッコよかった・・・。
ベースのスラップもビンビン聞こえるし、ドラムのバスドラとかタムがブリッとした音で気持ちいいし。
まあ、今までも十分音よかったんだけど、今回はそれ以上に音のよさを感じたライブでした。
これはホールがよかったおかげなのかなぁ。


そうそう、渋谷陽一といえば達郎がアンコールのMCで言ってたんだけど、
今回のツアーパンフレットには達郎史上初めて、歌詞についての記事があるということで、
その記事が2万字以上あるという話から、
2万字インタビューとかロッキンオンジャパンかよっ!というつっこみがあったりも・・・。


さて、今後の達郎はというとこのまま来年前半までツアー。
関東は中野サンプラザ、NHKホール、大宮ソニックとかであるけど、チケット取れるかなぁ・・・。
せめてもう1回は行きたいなぁ・・・。


そしてその後はMCでも言ってたけど竹内まりやのニューアルバムと自身のライブアルバムJOY2、
そして去年から言ってたライブハウスでの公演が予定としてあるとか。
JOY2は4枚組みで2枚組みの値段で出したいとか言ってたかな?
それより注目なのはライブハウスの公演。
スタンディングじゃなくて椅子アリの公演で、キャパは小さい会場だけど結構本数やるとのこと。
とはいっても、ファンクラブに入ってないとチケット取れなさそうだなぁ・・・。
ちなみにそのライブハウス公演、ヒット曲は一切やらない!との達郎の言葉でした。


=セットリスト=


1.THE THEME FROM BIG WAVE
2.SPARKLE
3.DONUT SONG
4.素敵な午後は
5.僕らの夏の夢
6.プロポーズ
7.SOLID SLIDER
8.俺の空
9.雨は手のひらにいっぱい
10.DON'T ASK ME TO BE LONELY
11.おやすみロージー
12.Have Yourself a Merry Little Christmas
13.クリスマス・イブ
14.希望という名の光
15.さよなら夏の日
16.今日はなんだか
17.LET'S DANCE BABY
18.高気圧ガール
19.アトムの子
~アンコール~
20.街物語
21.RIDE ON TIME
22.恋のブギ・ウギ・トレイン
23.YOUR EYES