直人 | あるキリスト者のつぶやき…

直人

最近の話題といえば、日本各地に出没している「伊達直人」に関することだろう。何でも漫画「タイガーマスク」の主役の名前らしい。タイガーマスクといえば私が子供の頃流行ったものであるから、私の世代なら知っている人がほとんどかもしれないが、今もそうであるように当時から世間の流れから外れて生きていた私はよく知らない。

ことの起こりは去年の暮れに「伊達直人」名義で児童福祉施設にランドセルが送られたことである。その後、二番煎じ、三番煎じが出てきたが、今では日本各地に100人以上の「伊達直人」がでてきたそうな。それどころか、「仮面ライダー」やら「矢吹丈」やら「スティッチ」と言った、いろいろなキャラクターからランドセルやら文具やら、現金、商品券、所によっては米や白菜が送られたそうな。

我が地元の横浜でも「偽善者の会代表」を自称する「伊達直人」が出てくる始末である。しかしだね……偽善者の会って何だよ!?皮肉を込めて言っているのだろうか。だとしたら、なかなか洒落てると思うんだけれども、本気で使っているなら、日本語の意味を知らないということだろうか。うーん、分からんねぇ。

おもしろいところでは、交番に持ち込んで「流行っているから」と言って、文具を置いていった人もいたらしい。まぁ、交番に持ち込まれても困るだろうにねぇ。でも、理由がすごい!流行っているから、だそうな。でもきっと本人にしてみれば、勇気を振り絞って、顔を真っ赤にしながら、恥ずかしい思いをしながらやったんだろうなぁと勝手に想像してしまうのだ。

一部ではこの一連の動きを「偽善」と評しているらしいが、でも、偽善でもいいんじゃねーかって思えてしまうのだから不思議である。基本的にみんな匿名でやっていることを考えると、売名行為ではない。また安易に現金を渡すのではなく、ランドセルだの文房具だの必要となるであろう現物を提供しているところが同意できる。災害とかで被災地、被災者に千羽鶴やら励ましの手紙を実名で送ることもあるようだけれども、それとくらべたら遙かにいいんじゃなかろうか。何か「善行」をして、その結果何らかの「快感」、たとえそれが自己満足や自己陶酔であったとしても、を得られるのであればそれはそれで構わないのではないだろか。誰に何かを強制しているわけでもないし。何より与える側と受ける側の双方の欲求・必要が満たされるのだから、万々歳と言ってもいいかもしれない。

そういえば、直人は直人でも、内閣総理大臣の菅直人の名義での贈り物ってないよね。あ、贈賄になっちゃうからか。なかなか洒落っ気があっておもしろいと思うんだけどなぁ。