ゴキブリについて | あるキリスト者のつぶやき…

ゴキブリについて

先ほどシャワーを浴びようと思って浴室に向かったら、廊下とリビングを隔てている空間でちょっと大きめのゴキブリが仰向けにひっくり返ってジタバタともがいていた。元気に走り回っているのならまだしも、なんでこんなところでゴキブリがひっくり返っているのだろうかと、不思議に思ったのだが、そのまま放っておくのもイヤなので殺虫剤を浴びさせてやった。ゴキブリ用の殺虫剤は我が家にないので、ハエ・蚊用のあまり強力ではない殺虫剤なのでゴキブリが逃げ回るかと思いきや、ひっくり返ったまま足をバタバタさせるだけで逃げる様子が見えない。ひとまずどこにも行きそうにないので放置。シャワーから戻ってみると、まだ同じ場所で同じ格好で足を弱々しく動かしていたので、これ以上殺虫剤を消費するのもちょっと勿体ないと思い、広告でつまんでゴミ箱に捨てた。

元気のない死に損ないのゴキブリというのは、どうも迫力に欠けるというか何というか……。あぁなった姿を見てしまうと、ちょっとばかり哀れなものである。

しかし不思議なものである。なんで人はゴキブリを嫌うのであろうか。ゴキブリというと不衛生と連想してしまうからだろうか。でも、蜂のように毒針で人間を指すわけでもないし、蟻のように噛みつくわけでもない。チャドクガのように幼虫でも成虫でも、近づいたり触ったりする人間をかぶれさせてしまうこともない。ましてやムカデのように攻撃的な虫でもない。ゲジゲジのように長い足がたくさんあって、色彩鮮やかな不気味な姿でもない。ただの六本足の昆虫である。同じ昆虫でもカブトムシやクワガタは人気だし、バッタは我が家の娘たちでも捕まえることができる。

にも関わらず、ゴキブリの不人気さとは一体どうしたことだろうか。油っぽく黒光りするあの姿だろうか。ゴキブリという名称だろうか。不衛生さを連想させるからだろうか。理由は何であれ、ゴキブリが飛んで逃げ回りながら、こちらに向かってくる姿はちょっと恐怖でもある。

ちなみに石鹸さえも餌にするほど生命力旺盛と言われているゴキブリではあるが、寒いところでは生活できないらしい。嘘か本当か分からないけど、なんでも北海道ではゴキブリを見かけることがないとか。言われてみると、私もシアトルに住んでいたころはゴキブリなんて見たことがなかったので、あながち嘘でもないのだろう。でも、一箇所だけゴキブリが見ることのできる場所がある。それは動物園のケースの中。なぜかゴキブリの大群が丁寧に飼育されていたのだ。日本の本州出身者の私から見たら、衝撃だった。十数年以上前のことなのに、今でも憶えてるくらいだ。