111-30=81 | あるキリスト者のつぶやき…

111-30=81

なんでも111歳のジイさまがいたらしいが、実は30年ほど前にすでに死んでいたらしい。死んでいたのに、30年も生きてたことになっていたというのもビックリであるが、役所の人がお祝いの品を持って行ったら、81歳のバアさまが出てきて、「父は誰とも会いたくない」と言って断ったそうな。そう、生きていたら111歳の父親に81歳の「娘」である。

が、話はこれだけでは終わらない。さすがにこのままでは埒があかないと思った、お孫さん(こちら53歳)が警察に届け出たそうな。その言い分が、またまた驚きである。なんでもジイさまは「即身成仏したい」ということで、30年ほどまえに部屋にこもったまま出てこなかったそうな。

30年間放置、である。即身成仏したい気持ちはまぁ、仕方ないとしても、30年放置って……ジイさまは家族から恨まれていたりしたのだろうか。それとも、生きていることにして年金詐欺まがいのことをしていたのだろうか。でも、調べたところでは、年金にはほとんど手を着けていなかったそうな。ということは、金銭が絡んでいたわけでもなさそうだ。というと、やっぱりミイラになりたいというジイさまの願いを家族が叶えただけなのだろうか。

なんとも不思議な世界である。まさか今の時代にこのようなことが起ころうとは!それにしても、ニオイとかは気にならなかったのだろうか。さすがに30年経って白骨化していたら、それほど臭わないかもしれないが、最初の頃はまだ、水っぽくて臭気も相当だったろうと思うのだが。それとも、案外臭わないものなのだろうか。でも、エジプトとかでミイラを作るときは、体の中の余分な水分を抜くとも聞いたし、香料だって使うだろう。これは、生身の人間を放置しただけだ。

謎が多い。でも、このジイさまの気持ちが一番分かるのは、この娘さんかもしれない。だって、ジイさまがミイラになりたいと言い出した年齢と一緒だぜ、この娘さん。

当時7歳の私にはない発想だし。今、37歳の私にもない発想だ。世界は広いぜ。