藤沢周平「漆の実のみのる国」 | あるキリスト者のつぶやき…

藤沢周平「漆の実のみのる国」

藤沢周平の「漆の実のみのる国」を読み終わった。


素直な感想…難しかった。


藤沢周平の作品はつい最近になって読み始めたばかりなので、あまり細かいことは書けないが、少なくとも今まで読んできた藤沢周平の作品とはひと味違った雰囲気が感じられる。実在の人物や出来事について書かれているからだろうか。どこか重苦しい感じがするのだ。


しかし、考えてみれば貧困にあえぐ米沢藩を立て直そうと苦労を重ねた上杉治憲(鷹山)の物語なのである。他の作品が持っているような、爽やかな雰囲気がないのも納得できよう。


上杉治憲(鷹山)の生き様、物事への取り組み方、考え方には感心してしまう。国家の舵取りをする人たちにとっては良い手本となるのではないだろう。目の前の些細なことにばかり気をとられているばかりでは、問題というのは何も解決しないということだろう。何よりも、まずはできることから行動に移していき、指導者たる者がそれを実践し見本を示すということだろう。


とはいっても、私はそんなことよりも、このような米沢藩の事情を淡々と書き綴った藤沢周平という作家のすごさを覚えた。重苦しい話題は重苦しく、爽やかな物語は爽やかに…話の主題にあった文章を書けるのは、やはり作家としての才能なんだろうか。どんな文章の似たような雰囲気になってしまう私は、まだまだ物書きとしては未熟である。