ラップ口座② ロボ・アドバイザリー
前回のブログで、“日本のラップ口座(ファンドラップ口座)の手数料がトータルで運用残高に対して2~3%かかる”ということをご紹介したのですが、ラップ口座の本場、アメリカではやはり既に“手数料圧力”に晒されて、ラップ口座が随分と進化しているようです。まず、日本のファンドラップ口座の原型と思われる“ミューチュアル・ファンド・アドバイザリー”では、口座にミューチュアル・ファンド、つまり、日本でいう投信を組み入れるわけですが、それでは手数料が高めになってしまうということで、組入れるファンドを投信ではなくて“ETF”にした、“ETFマネージド・ポートフォリオ”というのが存在します。アメリカの大型ETFは、そもそも投資対象の選択肢が広く、S&P500指数に連動する米国株式運用のような一般的な投資対象のETFだと、運用報酬料率は0.05%とか0.06%とか極めて低くなっています。日本のファンドラップ口座で組入れている投信の場合は、例えインデックスに連動するタイプのファンドでも0.50%とか0.60%といった料率をチャージするわけですから、これを0.10%程度にするだけでもかなりのトータル費用削減効果があります。さらに、“ファンドラップ手数料”を削減する手段として、何とアメリカでは“ロボ・アドバイザー”と呼ばれる、コンピュータによる自動化されたポートフォリオ管理プログラムが登場し、20社以上の会社がそうしたサービスを提供しているのです。例えば、あるロボ・アドバイザーの会社のプログラムでは、“100,000ドルの運用資産に対して年率0.25%”といったアドバイザリー手数料をチャージしています。投資するのは、株式や債券のETFですので、運用に係る手数料は0.10%以下のものから、せいぜい0.50%程度までのはずです。したがって、アドバイザリー口座全体としての費用は、100,000ドルの運用資産に対して、年間で0.5~0.8%程度ということになります。日本のファンドラップ口座と比べて、米国のロボ・アドバイザー口座は2%前後のコスト面でのアドバンテージがあるわけです。“2~3%くらいの手数料は仕方がない”と言っていては、恐らく、永久に日本の個人投資家は、米国の個人投資家のような運用による富の蓄積はできないのではないか?と思えてきます。恐らくネット証券などが、この“ロボ・アドバイザー口座”を日本にも持ち込む可能性があると思いますが、ネックになるのは“投資可能なETFの厚み”がアメリカとは格段に差があることでしょう。ただ、個人的にはこのビジネスを日本に持ち込んでみたいという衝動に駆られます。