家を建てる時には、夫婦それぞれ言葉にしていなかった希望が出てくることがあります。

例えば子供部屋の考え方でも、質問すると違う希望が出てきたりします。

親との同居の可能性とか。

車の駐車スペースとか。

お風呂をどういう風にしたいとか。

細かい違いから、大きな違いまで。

いろいろと質問を重ねていく中で、希望の違いが出てくるのは珍しくありません。

 

夫婦で考え方が違うので、プランの打ち合わせ中に夫婦喧嘩に発展することもあります。

もちろん、打ち合わせの差中ではなく、夫婦で相談中に「喧嘩しちゃいました」とカミングアウトされることもあります。

せっかく建てる家なので、妥協できるところとできないところがあるということでしょうか。

 

欲しいままに何でも注文要素を増やしていくと、予算がどうしても大きく膨らんでしまいます。

必要なものなのか。

ちょっとだけ欲しい物なのか。

絶対手に入れたい物なのか。

要望の強さによっても調整が難しくなる事さえあります。

 

要求の違いが大きくなると、調整役として重要になるのが営業マン、設計士の存在。

上手に取りなして、相互に予算と妥協点の落とし所を提案したりします。

経験豊富な担当者だと、過去に似たような事例も役に立ちます。

渦中に巻き込まれると「面倒くさいことになっちゃったなぁ」というのが本音なのですが、根気よく双方の話を聞きこむことで必ず妥協点が見えてきます。

解決した時の爽快感もこの業務のだいご味と言えます。

結論が出る事を難産に例えることもありますが、苦しかったプランの調整の時ほど達成感があるのも事実。

新居での生活が始まってから「やっぱりこうしておけば良かった」ということがないように安易な妥協はしないようにしましょう。

 

お父さんは働き盛りで毎日くたくたに疲れてしまう。

お母さんは子育てと家事で目まぐるしく一日が終わってしまう。

そんな中でも、お互いに思いやりを持ちあって、話合う習慣がある関係だと調整はうまく運ぶのですが。

夫婦の会話が乏しい家庭では難しいこともあります。

そんな夫婦には余計に新しい生活空間では、疲れを癒すような願いをプランに反映して欲しいなと思います。

マイホーム取得時にはどうしても購入時の事ばかり考えがち。

20年後、30年後の事も考えておかないと、後で大変な思いをするイベントが待つ事になりかねません。

経済的に余裕のある人なら問題とは言えないかもしれません。

でも経済的にあまり余裕がないと・・・

北海道では住宅の寿命にも大きく影響するメンテナンスができなくなる住宅も出てきそうです。

 

屋根や外壁の塗り替えにいくら資金が必要になるかも考えておきましょう。

キッチン、トイレ、お風呂、洗面台も住宅ローンが残っている間に交換することになるでしょう。

窓や玄関のパッキンも20年程度でへたるはずです。

エアコン、ボイラーの交換も15~20年で必要になります。

それらの経費を計算して住宅の資金計画をしっかり立てているオーナーさんはとても少ないと感じています。

 

結婚するのと、夫婦関係を維持するのはどちらが大変でしょうか。

住宅を購入するのと、快適な暮らしを維持するのはどちらが大変でしょうか。

もうおわかりですね。

維持する方が大変なのです。

その維持に必要な経費を計算せずに購入を決断してしまうと、いろいろ経済的に大変な経験をしてしまう、ということです。

 

住宅業界の営業に共通して、この辺の維持費をぼかす人が多い。

業界の関係者はぜひこの辺を改善してもらいたいな、と勝手ながら思っています。

困るのはお客様なのです。

実際にかかるものはかかるとして、購入時に説明すべきテーマだと思っています。

かかる事を想定しているのといないのでは、資金の準備も変わってきます。

 

オランダのことわざだったと思いますがこんなのがありました。

 

石を持ち上げるのと

 

それを運ぶのはどちらが大変か

 

住宅も結婚も考えてみると似ているところがありますね。

将来的に困らないように。

今だけに焦点を絞らないで、未来への視野も忘れずに考えておきましょう。

自分の家を建てる時には、腕の良い大工に建てて欲しいと思いますよね。

実際には建設会社からあてがわれる訳で、選べないし、そもそも大工の良し悪しなんて素人にわかるはずもなく。

結局は運任せ、と言う事になりがちです。

 

業界の構造的にどうやって大工に発注しているのかも知っておきましょう。

ハウスメーカー→下請け工務店→下請け大工(→孫請け)

大手の建設会社はこんな仕組みで、ハウスメーカーも大工を選べないのがほとんど。

ハウスメーカーからの大工の人工賃は20,000~25,000円程度。

最終的に棟梁の手に渡るのは15,000円位でしょうか。

後で触れますが、一日いくら稼げるかというのは職人にとっては切実な問題。

 

工務店→社員大工(もしくは下請け大工)。

という関係で工務店は現場を見て大工を選べることもあります。

それともう一つハウスメーカー専業大工と大きな違いがあります。

リフォーム工事をやっていること。

これが小さな工務店の大工共通のアドバンテージといえます。

 

新築とリフォーム工事で一番違いが出るのが技術の差。

新築工事ばかりやっている大工の中にはリフォームができない職人もいます。

反してリフォームもきれいに納める大工は大概の新築は難なく納めることができます。

無垢材の時に触れましたが、リフォーム工事がうまいからと言っても無垢材をきれいに納められる職人ばかりでもありません。

職人と言えど得意分野と言う物があります。

 

技術的な話をすれば新築工事は手順をしっかり守れば、図面上の性能が期待できる建て物ができます。

ハウスメーカーによっては新人を採用して、自社物件の大工として育成している会社もあります。

サラリーマン大工ですね。

自社製品の品質均一化にはとても良い制度といえます。

ただし、そういう自社物件だけ建てられる職人を育てても、一般的な木造住宅の事がわからない状態になってしまうこともあります。

 

リフォーム工事がなぜ難しいかと言うと、新築時に規格の寸法で収まった建材が一年後には収まらなくなっているのは珍しくないからです。

木造住宅の場合、建築の途中から建物は微妙に寸法が狂います。

法律では寸法の狂いについては1メートルに付き6ミリ以内の水平誤差までは許されます。

そこまで狂う事はほぼないのですが、各部屋の対角などは2~3ミリの誤差は当たり前。

鉄骨で建てても同様に完璧な寸法で誤差のない施工と言うのはありえません。

そこに加えて、建物自体の重要がかかります。

一戸建てなら30トン以上の荷重がかかるのが普通です。

木材はある程度収縮しますし、夏冬の湿度の違いで膨張収縮も発生します。

新築後、同じ規格の材料をはめようとしても収まらないことがあるのは、そのような複合的な影響によるものです。

 

少しでも腕の良い大工に建ててもらいたい。

そういう選択肢なら工務店に依頼した方が良いでしょう。

しかし、省エネ性能や耐震性能があまりにも見劣りするのに、大工の腕だけで選ぶのもどうかと思います。

しっかりした設計思想や、時代を超えて通用する性能を確かめておくのも忘れてはいけません。

大工の腕は良いけれど、経営者が不勉強で時代遅れの仕様に気付かずに依頼するのは避けたいところです。

 

最後に大工の年齢と腕の良し悪しは関係ありません。

若くても気の利いた仕事をする職人もいれば、年を取ってもダメな職人もいます。

お客様の意向を聞いて、思いを実現するのに腕をふるうのが良い職人なら、

図面通りにしか作らないのは、今の時代少し物足りないと思うかもしれません。

それでも図面通りにも作れない職人よりはかなりマシと言えなくもないというところでしょうか。

 

リフォームもできる大工は、リフォームした時にどういう風に直すかも想像しながら金物を使います。

つまり、後の事も考えて仕事することで、リフォーム時に発生する建て物の負担を少なくすることもできるということ。

気が利くかどうかの見極めとして、将来にわたって建て物をいたわる考え方で施工できるかどうかも大事なポイント。

そんな大工さんに当たったらラッキーだと言えます。

多分、今の時代そういう大工は10%位しかいないと思いますから。

 

あなたの幸運をお祈りいたします。