※これがあまりにもあまりにもだったので( ´艸`)
****************
HK side
僕は。天使を見たことがある
誰にも話したことはないけど
まだ幼いころ。理由はわからないけど。両親とはぐれてしまって。ひとりで、泣いていたときだった
『どうしたの?』
やわらかい声に。顔を上げると。やさしく微笑む、ヒョンニムがいた。ふわふわの髪。大きな瞳。透き通るような肌。どこか...見覚えがある気がして...
『お...ま...あ...ぱ...』
泣きすぎて。うまく言葉にならない。でも...そう...よくがんばったね。頭をなでてくれて。その途端。すっと、なみだが退いて。身体のすみずみまで。何かに満たされる気がした
『おいで』
僕が。連れてってあげる。差しだされた手が。ぼやっと、光りかがやいて。何の疑問のなく、握りしめた
『アガ!』
どのくらい、歩いただろう。不思議と。疲れはなくて。オンマ!僕とおなじくらい、泣き腫らしたオンマが。僕に気づいて。ころがるように、駆けよってきた
『良かった...無事で...』
おんまぁ...がっつり抱きしめられて。止まったはずのなみだが。また、あふれた
『大丈夫?けがはない?』
あわただしく。あちこちをさする。ん...だいじょぶ。ひっく。あのね...
『あのね。ヒョンニムが...』
ヒョンニム?あれ...ふりむくと。一緒についてきてくれたはずの、ヒョンニムは。どこにもいなかった...
再会は。意外と、はやく訪れた。アッパに連れられて、訪れた教会で。壁に飾られた。マリア様を見守る、一体の天使。まるで。いまにも動きだして。あの日とおなじように。微笑みかけてくれそうで...見覚えがあるとおもったのも、当然だ。ずっとずっと。そばにいてくれたんだから
それから。つまらなかった日曜礼拝も。率先して行くようになった
教会に行けば。ヒョンニムに会える。その一心で...
『そうね...その本だけど。大学の方にあるみたい』
しかも、書庫に。そうですか...先生に頼まれて。図書館で、古い資料を探していた。頼んでおくから。また来てくれる?いえ...可能なら。自分で探します。そう?じゃぁ。連絡しておくわね。ありがとうございます
付属の大学は。高校と隣り合わせだった。図書館に立ち寄って、書庫の鍵を受け取って。場所を教えてもらった
時が止まったような。重い扉を開ける。ほこりっぽい空気に。あまり息をしないように。先へ進んだ。いくつかの棚を過ぎたとき。そのすき間から、見えた光景に。目をうたがった。窓際に。あのときのヒョンニムが。僕とおなじ制服を着て。腰かけていた。日差しのカーテンをまとって。ゆっくりと、ページを繰っている。あ...あの本...
『誰?』
僕に気づいて。顔を上げた。やっぱり。やわらかく微笑んで...あの...
『その本を。さがしてて...』
これ?持っていた本を。顔の横に掲げる。こくこくとうなづくと。そう...パタンとその本を閉じて。舞うように、床に降りた。一歩。二歩。僕の方へ。近づいてくる。足音も。ほこりも立てずに...
『さがしてたのは...それだけ?』
え...本の代わりに。小さめの手が差しだされた。あの日のように...光を放って
@smartist
※画像お借りしましたm(_ _)m
※いま、7、8本くらい並行でかいてるらしぃ(~_~;)←ほぼヘウン
※本日のラインナップ