HK side

 

 

それから何度か。ドンへさんが波に乗るのを、見に行った。サーフィン以外にも。一緒に、海沿いを走ったり。ボールを蹴ったり。連絡用に。カトクも交換してくれて

 

『本業はね。スキューバの、インストラクターなんだ』

 

濡れた髪を。無造作になでつけて。そこの。国道沿いにある、ショップで働いてるんだよ。そうなんですね...この顔で、インストラクターか...モテるんだろうなぁ...

 

『自分で潜る回数は減ったけど。海は好きだから』

 

頬をなでる、海風に。目を細める。潜るのも。波に乗るのも。気持ちよさそうだなぁ...

 

『やってみる?』

 

え...サーフィン。にっこり笑って。ボードを、トントンと叩く。でも...俺、泳げなくて...

 

『海がこわいわけじゃ、ないんだろ?』

 

ん...たぶん...じゃぁ、心配ないよ。バタ足ができれば、大丈夫だよ。それも教えるから

 

『バランス感覚、ありそうだし』

 

正直。少し、興味があった。ドンへさんの知り合いにも、声をかけてもらうようになって

 

《見てるだけじゃなくて。やってみればいいのに》

 

みんな。うまく波に乗れても。乗れなくても。たのしそうで...じゃぁ...

 

『ちょっと...挑戦してみたいです』

 

よし!そうこなくっちゃ!ドンへさんが。ごしごしと、俺の頭をなでる

 

『ボードとウェアは、貸してあげるからさ』

 

あ、はぃ。ありがとうございます。ドンへさんが。すごくうれしそうにわらうから。俺もうれしくなった

 

 

 

《つづく》

 

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