無事、元の道に戻った青ずきんちゃんは。森の道を急ぎました


『はやくしないと。暗くなっちゃう』


夜道は危ないので、夕方までには戻るように言われていました。ハルモニの家は、まだまだ先です


『あら...何かいる...』


道端に。不思議なものが転がっているのに、気づきました


『ぬいぐるみ?落とし物にしては、きれいだけど...』


何の動物なのか。背中が灰色で。お腹は白色で。黄色いくちばしに。両の手は羽根のようです


『こんなとこに、ひとりにされたら...さみしいよね』


賑やかなところまで、連れてってあげよう。そのぬいぐるみをカゴに入れて。再び、歩きだしました。しばらくすると


『おぃ!』


どこからか声、が聞こえました。え...どきっとした青ずきんちゃんは。立ち止まって、きょろきょろと見回しました。でも、誰もいません


『空耳かな...』


青ずきんをふるふると振って。再び、歩き出そうとしたとき


『こっちだよ!』


え...その声は。手に持ったカゴの方から、聞こえてくるようでした


『まさか...』


さっき拾ったばかりの、ぬいぐるみを。おそるおそる手に取ります


『あんまりぶん回すなよ』


酔うだろ。その声は。間違いなく、そのぬいぐるみから発せられたものでした


『きゃーーーーー』


わぁぁぁぁ!いってぇ!びっくりした青ずきんちゃんが、放り出したぬいぐるみは。きれいな放物線を描いて、近くにあった木に激突しました


『あ...ごめんなさい』


あわてて、ぽてっと転がったぬいぐるみを拾い上げました


『あなた、しゃべれるの?』


そうだよ。悪い魔法をかけられて。こんな姿に、されてるだけなんだ。そうなの...大変だね...


『元に...戻りたい?』


当たり前だろ!でも、悪い魔法って。どうやったら解けるのかな...そうだ!


『一緒にハルモニんちに行こう!』


ハルモニは物知りだから。元に戻る方法を知ってるかも!マジか!?わかんないけど...おぃ...ふふ。不服そうなぬいぐるみを、カゴにそっと入れました



《つづく》


※アンコン終わったから、そろそろこれも終わらせたい(⌒-⌒; )

※きのーの最終更新です