ドンへ side



いた!


『ヒョクチェ!』


内緒で。ヒョクチェの大学に来て。時間割は、何となくわかってたから。掲示板で講義室を確認して。その辺りをうろうろしていた。俺の声に気づいたヒョクチェが。目をまんまるくして。ダッシュしてきた。顔をあかくして


『何やってんだよ!』


おはよっていいかけたら。すごい勢いで。何って...ちょっとあそびに...遊びって何だよ


『来んなってゆっただろ』


まくしたてられて。ヒョクチェ...そ、そだけど...


『俺、これから講義だから。帰れ』


かるくだけど。とんっと。身体をおされて。かえれって...せっかく来たのに...ま、待ってるよ...あのなぁ...


『二限だってあるんだよ。いいから帰れ』


ヒョクチェ...鼻の奥がきゅんとなる。胸が苦しい...


『え?ヒョクチェくんのお友だち?』


通りがかった、ヨジャたちが。あ?あぁ...


『高校の。同級生』


そっけなく。同級生?その言い方が。心をゆさぶった。へぇ、そうなんだ。学部は?いや、ここの学生じゃないんだ。ふぅん


『イケメンの友だちは、イケメンなんだね』


くすくすと笑うその子たちを。そつなく応対しているヒョクチェを。交互に見やる


『ヒョクチェくん、授業あるの?』


じゃぁ。わたしたちが代わりに、案内してあげましょうか。時間、あるんで。え...ヒョクチェが。困ったように。俺を見る


『だ、だ、だ...大丈夫です...』


かろうじて。それだけゆって。ヒョクチェに背を向けて。その場から走って逃げだした



《つづく》



@navernow

※画像お借りしましたm(_ _)m

※きのーの更新です