ヒョクチェ side



『まだ、未練があるか?』


いえ...もう...一度、すれちがったものは。そうそう、元には戻らないし。お互い。そんなことは望んでない。そうか...


『ダンスは?続けないのか?』


ん...稼ぐために、バイトを掛け持ちしてたから。それどころじゃなかった。踊りたいんだろ?え...


『キュヒョンがさ』


公園とか。深夜のストリートとかで踊ってるって。あいつ...知ってたのか...


『でも...』


人前で踊るのが。評価されるのが。怖かった...俺にもは、もう...何もない...


『俺が、見たいっていったら?』


え...そのかわり。半端な場所じゃ、満足しないぞ


『最高のステージ。でだ』


スポットライトに照らされて。踊るお前が見たい


『そんなの...いつになるか...』


大丈夫だよ。ぽんと肩をたたく。何で...そんなこと...


『わかるよ』


素材を見抜く目はあるんだ。そう言って。片目を閉じる。じゃないと...


『こんなの、作れないからな』


俺の手首に。レザーのブレスレットを巻きつけた。え...


『お守りだ』


持ってろ。ありがとう...ございます...



キュヒョンから。あの日。あのひとが。俺が買い戻した分の金を。置いていったと聞いた。身辺整理して。この国を離れて。あたらしく、はじめてみるって。そうだったのか...その金はそのまま。キュヒョンに預かってもらってる



『ヒョン!ペダルだよ!』


頼んでねぇよ。細い目を。さらに細めて。ヒョンと呼んでもいいか。そう聞いた俺に


《勝手にしろ》


そう言って。頭をくしゃくしゃとなでた


配達の仕事も、続けているけど。ダンスのインストラクターの、アルバイトもはじめた。オーディションもチェックして


誰のためでもない。自分のために


そして。いつか。輝く場所で...踊るために



《完》


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※画像お借りしましたm(_ _)m

※ほんとはイェヒョクがくっついて終わりだったのに、あと一息だった←

※きのーの最終更新です