ヒョクチェ side
『何だ、お前』
関係ないやつは、引っ込んでてもらおうか。慣れたように凄む
『関係なくもないかな。だから引っ込まない』
ジョンウンさんは、どこ吹く風だ。予想外の反応に、拍子抜けしたようで。ふっと。怒らせていた、肩の力を抜いた。元々、わるいひとじゃない。やさしくて。不器用で...でも...
『俺は...こいつの元カレ』
顎で俺を示す。ちょっとこじれててね。へぇ...さして、興味もなさそうに。はぁん...そのひとが、すっと目を細めて。口を歪める
『もう、新しいカレシかよ』
嫉妬深かった。俺はそれが。愛だと思いこんだ。いや。思いたかった
『変わり身、はえぇな』
散々、縋ったくせに。金でも身体でも。頼んでもねぇのに、何でもつぎ込んで。愛もないのに...くっ...まだ胸が痛む。愛はあった。俺には...何が目当てでもよかった。あったかいひとと。一緒にいられたら...
『噛むなよ』
知らずにくちびるを噛んでいたらしい。ジョンウンさんに、顎をつかまれる。やわらかいくちびるが台無しだろ。え...そのひとが。目を見張る
『愛がなくても。か...』
ジョンウンさんが。ひとりごとのように
『愛があって。貢がれたら』
自分が、苦しくなるもんな。え...安心しろ
『俺は、貢いでもらう必要もないし』
それに。俺は。お前とはちがう。ぽんと。そのひとの肩を叩くと。俺の手首をつかんで。歩きだした
《つづく》
@yesung
※画像お借りしましたm(_ _)m
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