最初に異変に気づいたのは、鬼神の旦那だ


『客が流れてるな...』


玉魁が請けだされれば。多少の客離れがあるのは、仕方ない。それでもしばらくすると。ここに戻ってきてくれるのだと言う。今までは。新規の客も取るけれど。基本的に、一見の客は断わっている。常客の同伴や、紹介が必要だ。それでも。最近。たちの悪いのが増えているらしぃ。まだ経験の浅い、新造たちが標的にして。光海の君は、泰然としていたけれど。きっと。心を痛めているはずだ


『旦那』


晴の兄貴が。こっそり、裏口から入ってきた。人払いを...鬼神の旦那が、頷いて。奥の部屋に促した。そっと。隣りの部屋に忍びこむ


《どうやら...瓢箪屋が、一枚噛んでいるようで...》


若旦那か。あぁ、今は違うのか。あくまで、表向きは...猫っ可愛がりしてる跡継ぎを、路頭に迷わすわけねぇ


《瓢箪屋の紹介も多かったからな》


全部が、全部。通じてるってわけでもねぇだろうが


《旭星の件と言い。最近の事と言い...》


狙いは...


《この楼閣...いや》


光海...ぞわりと総毛だった。と。同時に。ふつふつと。怒りが湧きあがった。どうして。そこまで...


そのあとふたりは。さらに声を顰めて。話し合いはじめた。何か、策があるのだろうか...


どうやったら...光海の君を、守れる?



《続》


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