ヒョクチェ side



結局。ラーメンができあがるころには。箸と皿を持って、ちゃっかりすわっていて。俺よりも多く食って


『俺、洗う』


鍋や皿をシンクに置いて。ヒョクはシャワーしてきて。あぁ...さんきゅ...機嫌は直ったんだろうか...シャワーを浴びて、戻ると。キッチンにはもう、姿がなくて。部屋をのぞくと。ベッドの端に、ドンへが転がっていた。自分の部屋なんだから、真ん中に寝ればいいのに...はだけられたブランケットを、肩まで掛けてやって。そっと部屋を出ようとしたとき。ひ...手首をつかまれた。何だ、起きてんのか...


『髪、乾かしてくるだけだから』


すぐ戻るよ。そっぽを向いている、頭をなでると。するっと力が抜けた


結局。仕事も少し片づけて。ドンへのとこに戻って。空いてる方にすべりこんだ。後ろから抱きしめようとしたら。くるんとこっちを向いて。がっつり抱きつかれて。寝づらいんだけどな...乱れた髪を整えてやりながら。ドンへ...ん...


『旅行でも、行くか...』


ずっと考えてた。そういうのも、いいかなって...どかっ!ってぇ!飛び起きたドンへの石頭が、顎にヒットした。お前な...


『何すんだよ!』


『いつ!どこに!』


俺が怒鳴ってもお構いなしに。シャツをつかんで、ぶん回す。ほんとにもぅ...


『どこいく!済州島?バリ?カルフォルニア?』


んなわけねぇだろ!落ちつけ!ったく...じたばたするドンへを、おさえつけて腕に入れる。どこでもいーよ。え...


『どこでもいーよ』


ドンへと一緒なら。どこでもいぃ。ひょが...バカ...泣くな...ん...ぐずぐずと鼻をならして


『ひょが...ありがと...』


ん...俺も...ヒョクとなら...どこでもぃ...ん...


あ、俺。パスポートねぇわ。わりぃ...そもそも、海外ムリだったわ...



《つづく》


@navernow

※画像お借りしましたm(_ _)m

※きのーの最終更新です