シウォン side


《健康飲料会社の社長が。そんな体型だと、説得力に欠けるじゃないですか!》

業績アップのためにも。何とかして下さい。痩せれば社長も、なかなかイケてるんですから。なかなかって...秘書のリョウクに追い出され。最近、出来たという。ジムを訪れた

学生時代は運動もしていて。それなりに、締まった身体だったが。会社を興して。バタバタしているうちに。あっという間に、今の体型になってしまった

《オープン記念で。入会料、タダなんですよ》

しっかりしてるな...ポストに入っていたらしい、クーポンを渡されて。はぁ...今さらな...

『こんにちは。入会希望の方ですね』

申込書を書いていたら。ん?どこかで...顔をあげると。ど、ど、ど、ど、ドンへ!?

『メイントレーナーの、イ・ドンヘといいます』

同じ時間が経過しているはずなのに。当時と変わらず、爽やかな笑みを浮かべた。同級生のイ・ドンへが、そこにいた

『チェ...シ...ウォン...』

申込書を見て。ぽつっとつぶやく。あわてて顔を伏せた。あぁ。すみません...

『知り合いと、同じ名前だったんで...』

まぁ...気づくわけないか。俺はすっかり、変わってしまった...はは。よくありますよね...

『ですよね。僕なんて。姓が李だから。同姓同名なんて、この国にどれだけいるか』

あ、ちょっと失礼。誰かに呼ばれて。ドンへがいなくなってくれて、ほっとした。はぁ...とりあえず、ここはやめよう...いつバレるか...ひやひやしながら運動しても、集中できない。やるとしても、他のジムにしよう。今のうちに...と。腰を浮かせかけたとき

お待たせしました。え...

『お客様を担当します、チョ・ギュヒョンといいます』

え...

えぇぇぇぇぇぇぇぇ...

ま、まさか...ドンへよりもまずい...

入れ替わるように現れたのは

俺の初恋のひと。チョ・ギュヒョンだった


《つづく》

※一話で終わらせたかったのに...
※本日のラインナップ