尊いもの

 

 

 

 

 

ドンへ side



キュヒョンくんちに遊びに行ったヒョクチェを迎えに行って


『良かったら。ちょっとどうですか』


コーヒー淹れますから。あ、すみません...


リビングに通されると。ヒョクチェが。小さなドラムセットの前で、スタンバッていた。ぇ...


『気に入ったらしくて。なかなかうまいんですよ』


パパに見せるんだって。がんばって。あぁ...それで...


『パパ!見て!』


ドンダンとドラムを叩きだす。へぇ...もちろんテクニックがあるわけじゃないけど。リズム感がいいのは、やっぱり遺伝なんだろうな...


シウォンさんが淹れてくれた、コーヒーに手もつけずに。嬉々としてドラムを叩くヒョクチェを眺めていた


はずなのに...


何だろ...だんだんぼやけてくる...


シウォンさんが。そっと俺の肩を撫でた



《つづく》


※本日のラインナップ