ドンへ side 




ヒョクチェくんが、バイトがあるってゆーから。一緒にキャンパスを出た。歩きながら


『俺さ』


言語聴覚士になる勉強、してるんだ。え...それって...うん。ヒョクチェくん...でもさ...


『勉強すればするほど、あの頃、俺。ドンへに無茶なこといってたなって...』


え...もし会うことがあったら。もし...もう一度会えるなら。謝んなきゃなって...ヒョクチェくん...


『ごめんな』


僕にむかって頭を下げる。あの頃よりさらに。茶色くなった髪が。さらさらと揺れる。そんな...ヒョクチェくんの言葉に。どれだけ助けられたか...でも...そーだとしたら...


『ひ、ヒョクチェくんは...やっぱり...卒業したら...ここに残るの?』


このまま。ドンへは?どーするんだ?僕は...


『か、帰ることに...なると思う』


そーゆー約束で、き、来たから...そーか...じゃぁ...


『一緒に帰るか』


にっこりと。歯茎を見せて。ヒョクチェくん...それまでがんばろーぜ。うん!ヒョクチェくんが手を伸ばしてくれたから。はじめてその手を握った



《完》


※きのーの更新です