でも。その危険性は。このひとも同じなはずだ。生まれながらのアルファなんだから。いくら律しようとも......
ひょっくんがむずがるよーに身体をよじった。ひょっくん?ん...目をこすりながら。まだ寝ぼけてるみたい。おいで。ん...あぐらの上に乗せて。抱っこすると。ぎゅっとくっついてくる
紳士が。目を見張る。俺は...賭けに出た
『さっき。ひょっくんの手に触れたとき』
感電したみたいに感じたんです。びりっと...こんな感覚ははじめてでした...
『完全にベータだったなら。オメガが側にいても何ともない』
何か感じたとゆーことは...もしかしたら
『アルファ化する可能性が。あるかもしれませんよね』
紳士が、片眉をつりあげた。可能性は...
『ないとは言えません』
だとしたら...その過程を...
『観察できる、いーチャンスかもしれませんよ』
今度は両眉をつりあげる。俺はひょっくんに目を向けた
『ひょっくん』
ん。名前を呼ぶと。かろうじて、半目をあける
『俺と一緒に暮らそーか』
ぱち。ぱちぱち。何度かまばたきをして。その意味がわかっているかいないのか。ひょっくんは。こくんとうなずいた。紳士がおーきくため息をつく。あなたってひとは...
ひょっくんがうなずけば。紳士には、どうすることもできないはずだ
《ウニョクの判断に従います》
そー断言したんだから
《つづく》
※きのーの最終更新です