※突如思いついたので...←お話し、増やさないんじゃなかったのか...
※短編でおわりたい←ほんとだな


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ドンへ side


『いってくる』『いってらっしゃぃ』

仕事に行くシウォンを、玄関で見送る。ちーさく手をふって。がちゃんと閉まるドアにチェーンをかけて。今日もおわった。毎日そう思う。まだ朝なのに

洗濯機をまわして。洗い物をかたづけて。掃除機をかけて。シウォンの靴をみがいて。今日は日差しがあるから、洗濯物はサンルームに干そう。乾燥機でもふわふわに乾くけど。お日様の匂いはしあわせな気分にしてくれるから。だからシーツも洗った

朝、シウォンのために淹れたコーヒーの残りに、豆乳を入れて飲む。昼はラーメンとかですますことがおーくて。夕飯も、シウォンはたべないから。そもそも、帰ってくるのが真夜中だし。汁ものとごはんだったり。野菜を炒めたり。簡単なパンチャンをつくったり

午後は勉強をする。高卒認定試験を受けるためだ。シウォンが。大学は出ておいた方がいいって言ってくれたから


ボクはシウォンに拾われた。うぅん、ちがう。買われたんだ

バイトをはじめたホストクラブで。先輩ホストの常連さんが連れてきた、ご新規さんのひとりがシウォンで。オトコのひとがこんなとこ来るってことにまずびっくりした。その上シウォンは。その店の誰よりもかっこよかった

ボクはまだ見習いで。先輩ホストのヘルプについていて。いくつか言葉は交わしたけど。やることはたくさんあるから。いつもテンパってて、あまり覚えてなくて。お酒つくったり。愛想笑いしたり。盛り上げたり。踊ったり。うたったり...

その次の日。シウォンはボクを身請けした。どれだけ積んだかは、結局、教えてくれなかった。借金もあったのに。それも全部

ホストがやりたかったわけじゃなかった。生きてくためには働かなきゃなんなくて。身元保証も貯金も学歴も。住むとこさえないボクが。すぐに都合よく働けるところなんて、水商売くらいで。借金を返して。大学の学費を貯めて。いつか自立しよう。そう思っていた

寮で荷物をまとめて。連れていかれたシウォンの家は、高層マンションの高層階にあって。ふたりで住むにしても広すぎるくらいの。会社を経営してるらしぃけど。どんな仕事なのか。いまだによくわからない

『何を...すればいいんでしょうか...』

生活感のないリビングの真ん中で。リュックを抱えて、立ちつくしているボクに

『何をしてくれるんだ?』

何もできないだろ。ぐうの音もでなかった。それなら何でこのひとは。ボクをここに連れてきたんだろう...

働きに出たいと言っても必要ないと返されて。でも働かないと、シウォンに肩代わりしてもらった借金さえ返せない。返さなくていいと言われたけど、それだけは譲れなかった。それならと。ここで身の回りの世話をすれば、給料を払うと。掃除とか洗濯とか。いろいろ

ここから逃げたところで。また借金を重ねて、水商売に戻るだけだ。ボクは。その申し出を受けいれるしかなかった

部屋がいくつもあって、バスルームも無駄に広いから。掃除はちょっと手間どったけど。シウォンはほとんど家にいないし。食事の用意も朝くらいだし。必要なものやクリーニングは、コンシェルジュに頼めば手配してくれるし

バス、トイレ共用でうす汚れたホステルとか。ワンルームに何人もつめこまれて。寝ていると先輩に身体をまさぐられることもあった寮とかに比べれば、まさに天国だった

たまにシウォンに。抱かれるとしても

でも...いつまでボクはここにいられるのかな。シウォンがボクに飽きたら。もっとわかい子に惹かれたら。追いだされるのかな...

でもボクは...ボクには...行くところがない...

そんなある日。運命が扉をたたいた


《つづく》

※シヘはもう描かない気がしてたんだけど...
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