ヒョクチェ side



ジョンス先生に挨拶して診療所を後にした


『ひ、ヒョク...て...手ぇ離して』


やだ。俺がずっと手を離さないから。ドンへがむちゃくちゃふってほどこーとする。ひ、ひょく...


『ドンへはやなの?


立ちどまって。振りむいた。潤んだ目を見ひらく


『ドンへは俺と手ぇつないでんの、やなの?


『や...やじゃ...ないけど


じゃぁいーじゃんか。ドンへの手を握りなおすと、ぐぃっとひっぱってあるきだした


ドンへは...それ以上抵抗しなかった


バスを乗りついで家にかえって。ドアを閉めたとたん。部屋の空気が一変した気がした。ひさしぶりに。この部屋にドンへがいる。その身体を抱きしめて。あまぃ匂いを深く吸いこむ


ドンヘおかえり...ひょくドンへは。ただいまのかわりに


『ひょく...ごめん…』


なんで謝るんだ?謝んなきゃなんないこと、したのか?


した...ひ、ヒョクを...ひとりにした


『わかってるならもーするな』


返事がなぃ。ドンへ...


『返事は?』


身体を離して、顔をのぞきこむ。泣かないよーに。眉根をよせて必死にたえている


『でも、でも、俺


とうとうぐしゃっと泣きだしたドンへを、もう一度抱きしめる。お前がうなずくまで、俺はねばるぞ


ベッドまでひきずってって。寝ころんで。しゃくりあげるドンヘの背中をさする


『な。もーだまっていなくなったりしないな?』


重ねてゆっても返事がなぃ。なんでうなずかない?何を考えてる?ドンへ

『俺...俺...もぅ...』


ヒョクを離してあげないと


《つづく》


※きのーの最終更新です