シウォン side
『コーヒー淹れるけど』
うん。飲みたい。いい豆をもらったから。せっかくなのでハンドドリップで
湯を沸かして。鎮ませて。そっと乗せるように注いで蒸らす。粉がむくむくと膨らむ。俺のこころの中でも
ドンへは元々甘えただし、俺とは違う方向でスキンシップも多いから。兄弟感覚でいるのはわかってはいるんだけど。ああも自然なのを目の当たりにすると複雑な気分になるもので
キュヒョンも慣れてるから、ドンへの手を振りほどくこともしないし
『カップ、温めるね』
あ、うん。ありがとう。キュヒョンがカップをふたつ並べる
『俺がやろうか』
俺の顔を見て。いや、大丈夫。心ここに在らずなのがバレてるか...まずい、まずい。こんなんじゃうまいコーヒーを淹れられない
目を閉じて。息を吐いて。ケトルを持ち直した。そのとき...ふんわりと腹にまわされた両腕と。背中に密着するぬくもり。肩にあたるやわらかい頬
キュヒョン...
前で組んだ手をぎゅっとしめる。その手に自分の手を重ね、そっと解いた。ケトルをカウンターに置いてキュヒョンの方へ向きなおり、その身体を抱きしめる。コーヒーの香りを凌駕するあまい匂い
『シウォンさん...コーヒー...』
これはもうおじゃんだ。いまはこっちが優先...シウォンさん...目の前の、ほんのりと色づいた唇にくちづけた
《これが限界です...ww》
※ちなみにヘウンさんち