ヒョクチェ side



『おぃ!イ・ヒョクチェ!こっちだ、こっちだ!』


ドンヒヒョンが手をふっている。となりには...キャップをかぶったドンへ。俺に気づいて、とまどいの表情をみせる


『ヘユン、おぼえてるだろ?あのとき会ったイ・ヒョクチェ』


あ、うん...こんにちは...こんにちは。あ、チョコ、ありがとーございました。いえ...


ふたりの前にはいくつかのタッパー


『オモニの差し入れなんだ。お前も食ってみろよ』


え...そんな...ヒョンのためのなのに...わるいですよ


『遠慮するなよ。お前にはいつも世話になってるからな』


これはヘユンも手伝ったんだってさ。え...


『大学はいってひとり暮らしになったからな。オモニが教えて一応自炊してるらしいよ』


一応ってなんだよ。ちゃんとやってるよ。ドンへが控えめに抗議する


『ほら。こいつにも箸と皿』


あ、うん。どーぞ...すみません。ありがとーございます。これとかうまいぞ。ヒョンが皿にあれこれ盛ってくれて。早速チャプチェをたべてみる。うん、うまぃ。そーゆーとドンヒヒョンが目をほそめてよろこんだ


『そーいやヘユン。病院あまり行ってないんだって?』


あ...うん...学校がいそがしくて...ちょっと表情がくらくなったのが気になった。病院って...あ、こいつ、小さいころから身体よわくて。そーいえば喘息とかもあったもんな。だいぶよくなっだんだけど。家をはなれたから、ちかいクリニックを紹介してもらったんだ。まったく...オモニがいないとすぐさぼるんだから。サボってるわけじゃないよ。ドンへがくちびるをかむ。表情がさえない。なんだろ。なんかあるのかな...


『そうだ、ヒョクチェ。今度の休暇はいつだよ』


えーと...日にちをゆーと


『お、ちょうどいいな。俺、ホワイトデーまで休暇ないから、お前ちょっと俺の分も渡しに会ってやってくれよ』


え!俺はもちろんドンへも驚きの声をあげる


『いいだろ。軍隊生活じゃ買う暇なんてないし。ちゃんと金は渡すからさ』


いやお金の問題じゃなくて...ちらっとドンへを見ると目があって。あわててドンへが目をそらす


『お前の電話番号、教えとくからさ。あとで登録しとけよ』


よろしくたのむよ。イ・ヒョクチェ。ばんっとけっこーな勢いで肩をたたかれて。あ、はぃ。じゃぁ...曖昧にこたえて。ヒョンの前だからかドンへはいやだとはいわなくて


それから俺はドンへからの連絡をたのしみに待つ生活をおくることになった


《つづく》


※きのーの最終更新です。またアホなお話したてました