※バカ殿が意外におもしろくて、こっちが滞ってしまいました...

※そろそろ忘れられてるかも...(・・;)


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『崔原様。お約束のものをお持ち致しました』


久方振りに始源の屋敷を訪れた煕右ヱ門が、自慢げに笑って見せる。障子を開けると庭先に木箱が運びこまれた


気怠そうに脇息にもたれ掛かった始源が、ちらっとそちらを見やる。さして興味もなさそうに


熙右ヱ門の合図で下男が蓋を開けようとした途端


『ちょっと待ちな!』


じゃりっと玉砂利をふみしめる音と共に、松の木の影から現れた一人の綺麗な...お、オトコ?


『誰じゃ!』


『悪さをする奴らに名乗る義理はねぇが、宇宙にも名を轟かせる金山の澈っつぁんとは俺のことよ』


『その金だか鉄だかが何の様だ!』


此処を何処だと心得る。待て、越後屋。気色ばんだ熙右ヱ門を始源が制す。此処は我が屋敷ぞ。ですが崔原様...


『其奴は我等と言うよりその荷に用があるようじゃ』


はん。綺麗なオトコが口元を歪める


『流石、崔原始源。悪代官の割に話しがわかるじゃねぇか』


『何を!』『まぁ良い』


高みの見物と行こうではないか。始源が胡座をかいて脇息に肘をつく


不満げな顔の熙右ヱ門であったが


『三下風情がその荷に何様だ』


其の方如きが扱える品ではないぞ


さぁ...


『それはどうかな』


キレイなオトコが不敵に微笑んだ


《つづく》


※本日のラインナップ