今日は卒業式。在校生は出席しないからわたしたちは休みなんだけど。わざわざ学校にきたのは...

『ちょっとウニョク!パンツ見えてる!』

『へーき!へーき!誰も見てないもん』

『あたしが見たくないの!』

『なによっ!』

ボクサーパンツの上からちゃんと黒のショートスパッツはいてるわよ!

ドンへくんは生徒会長だから、在校生代表として送辞をのべる。それをのぞき...見学にきたんだ。せっかくのドンへくんの凛々しい姿を見逃すなんてもったない。体育館には卒業生とその家族しか入れないから、舞台が正面にみえそーな窓の下に、その辺にころがってたコンテナつみあげて。よじのぼって

《在校生代表 生徒会長 イ・ドンヘ》

はぃ。きた!つま先立ちして窓をのぞくと、舞台にあがるドンへくんのうしろ姿がみえた

しずまりかえった体育館に、ドンへくんの低めのちょっと鼻にかかった声がひびく。照明をあびてきらきらして。はぁ、かっこぃぃ...まるで天使みたぃ...

『ちょっとウニョク!あたしにもみせてよ!』

『りょう子!おさないでよ!』

そんなことをやってるあいだにあっとゆー間に送辞がおわってしまって。ひろげた紙をくるくるとまとめたドンへくんがふと顔をあげた。え...目が...あった!ドンへくんがにっこりとわらう。うそ...気づかれた...

『お前ら、何やってんだ?』

え...ふりむくと副会長の冷ややかな視線とばっちり...何って!わぁっ!

『ウニョク!』

いったぁぁぁぁぃ!バランスをくずしたわたしはコンテナからころげおちて

『ウニョク!大丈夫?』

りょう子もあわてて降りてくる

『お前...パンツ見えてんぞ』

パンツじゃないもん!スパッツだもん!

『ま、お前のパンツ見たところでな』

かっかっか。きぃ!くーやーしーぃ!肩をゆらしながらたち去るシウォンの背中を、うちつけた膝をさすりながらにらみつけた

《負けるな!うにょ子!》

※本日のラインナップ