ドンへ side
緊張してるのかなかなかしゃべってくれないから。絶対話しをしなきゃいけないこともないんだけど。ずっとぼーっと過ごしてる常連さんもいるし。でも新規のお客さんだから、やっぱりいろいろ情報はあつめておきたいわけで
『ギュニムのご紹介なんですね』
え...うん...あ...えーと...は、はぃ...ふふ。ゆっくりでいいですよ
『すみません...ぼ、ボク、オンナの子とうまくはなせなくて...』
つまんないですよね...まぁ、俺、オトコだけどね...
『そんなことないですよ。時間はたくさんありますから。もっと気楽になさってください』
へへ。ありがとうございます。コーヒーは苦手だとゆってオーダーした、生クリームたっぷりのホットチョコにくちをつける
『トヘちゃんってこの間のイベントのときはいなかったですよね?』
いたけど...そのときはメイドじゃなかったから。あの日が厨房を手伝ってたんです。そうなんだ。こんなかわいい子、見のがすわけないもん。またほっぺたがあかくなる。ふふ。ありがとうございます
『ギュニムとはおなじ大学なんですか?』
ギュニム、あたまいーんだよな...
『だ、大学はちがうんですけど、同好会同士で交流があって...』
大学生か...同好会ってなんのだろ。ギュニムが得意なゲームかな
ここのちかくの大学なんですか?あ...えーと...
え...それって...聞きおぼえのある名前...当然だ。俺も在籍してるから。まぁ俺は休学中だけど...学年はおなじだったんだな。学部がちがえば面識なんてあるわけないし
『大学...たのしいですか?』
俺は...そんなに通わないうちに休学しちゃったから...
『たのしーのかな...』
第一志望じゃなかったから...ともだちもすくないし...くちびるをとがらせて。肌がしろいせーか、そのくちびるがみょーにあかく見えた
なんだろな。こんなにちがうんだな
ちょっとこころがいたかった
《(17)につづく》
※本日のラインナップ