『⁂ SJ劇場 荒野双紙 その六 ⁂』『⁂ SJ劇場 荒野双紙 その五 ⁂』『⁂ SJ劇場 荒野双紙 その四 ⁂』『⁂ SJ劇場 荒野双紙 その三 ⁂』『⁂ SJ劇場 荒野双紙 その二 ⁂』『⁂ …リンクameblo.jp



『お圭ちゃん!そんな...急に奉公だなんて...』


『東海さん...』


百度参りをしていたいつもの寺に立ち寄ったお圭は、岡っ引の東海に呼び止められた。心優しい東海は、よくお圭と共に父の全快を祈って手を合わせてくれていた


『しかも奉公先は悪名高い催原んとこだっていうじゃねぇか!そんなの...』


への字に結んだくちびるがぷるぷると震える。涙をこぼすまいと必死に耐えている


『越後屋の大旦那様が特別にお手配くださって...』


『いけねぇ!いけねぇ!断じていけねぇ』


自分よりも高い位置にあるお圭の肩をわし掴む


『おとっつぁんと...』


おっかさんの為なんです...東海の真っ直ぐな視線を避けるように顔をそらすお圭


『奉公に上がれば良い薬が手に入るし、滋養のあるものも食べさせてあげられる。病が良くなれば、前のように働くこともできる』


毎日笑って暮らせるんです...その目に涙を浮かべて笑って見せるお圭に、言葉を失う東海


『東海さん。今まで本当にありがとう...』


『お圭ちゃん!』


振り切るように駆け出したお圭。ひとり取り残された東海は、届かなかったその手を胸に抱いてぎゅっと握り締めた



一時の後。荒野の町のど真ん中にかかる橋の欄干に、この世の終わりとばかりにしなだれかかる東海

その背中に近づく同心の銀之丞


『なぁ、どんぺ。俺たちのお役目はなんだ』


あ、兄貴。ぐいっと涙を拭って


『へっ!荒野の町のひとの暮らしを守ることでやす』


そうだ。十手で荒野の町をぐるっと指し示す。どれだけ悪が蔓延ろうとも、この十手が黙っちゃいねぇ。奉行の金山様も策を講じておいでだ


『懸命に勤めていれば報われる日がくらぁな』


御天道様はちゃぁんと見てらっしゃるぜ。そう言って縮こまった東海のなで肩を十手でぽんっと叩いた


《⑧につづく》


※何かいてんだかよくわかんなくなってきた...(笑)

※ライトノベルの域を逸脱してる気もしますが...(⌒-⌒; ) ありがとーございます!


※本日のラインナップ

『⌘ Wings 《ウネ》 番外編 Ordinary day ⑥ ⌘』『⌘ Wings 《ウネ》 番外編 Ordinary day ⑤ ⌘』『⌘ Wings 《ウネ》 番外編 Ordinary day ④ ⌘』『⌘ Wings …リンクameblo.jp