希美 side


洙利の店のオーナーから模様替えの相談をうけて、店によったついでに洙利と帰ることにして。ちかくの店でちょっと飲んで
街はハロウィン一色で。すれちがった高校生が顔にペイントしてたり。アニメや映画のキャラクターの完コスしてるやつがいたり

ふふ。かわいいね

お互いのほっぺたに血のりメイクをほどこしている子たちを見て

私もあんなことしてみたかったな…

『いまからでもやればいいだろ。なんなら俺が描いてやろーか』

あは。希美くん、絵、うまかったもんね

おぼえてんのか?

もちろん。よく美術室で描いてたじゃない?絵もそうだけど…その横顔がきれいで…みとれてた

洙利が懐かしげに目をほそめる

お前も…見ててくれたのか?俺を…あのころから

洙利…ん?その手をとる。たくさんのひとを笑顔にする料理をつくりだす、その手を

『お菓子くれなきゃ…』

キスするぞ

洙利が一瞬目をまるくして。その目を三日月にたゆませた。片えくぼをへこませて

『お菓子は…今日、お店で配りつくしちゃった』

それなら…

その片えくぼを親指でなぞった


《愛の手、とどきました》

※本日のラインナップ