数年前にタイダイ染めに出会いました。授業の教材として扱ったことがきっかけです。

文化祭や体育祭に向けた授業の一環で、子どもたちと一緒に染めていました。一時期はそれだけでは飽き足らなくなり、一人で教材研究と称して黙々と染め続けたこともあります。


過去記事を見ると、働いていたときから少しずつ少しずつ点描も染めも始まっていたんだなぁとしみじみと思います。だんだんと自分が子どもたちに教えて伝えている内容に疑問を持ち始めた時期だったので、必死になって自分の可能性を模索していたように思います。


退職して、自前のタイダイキットは持ち帰ってきました。家では難しいかなぁ、汚れるかなぁと思って、外物置に置いたまま埃をかぶっていました。


今年の5月の初め、急に「染めてほしい」という依頼を受けて、道具や染め粉を綺麗に拭いて、1年数ヶ月ぶりにタイダイ染めを復活しました。


家でも、できるじゃん!


ほとんど汚れることもない。家の洗面所の引き出しの中に道具も移しました。


今では、お料理するくらいの気軽さで染めています。


「💩出したい!」が来たら、トイレに行くように、「染めたい!」が来たら、染められる。


人から「ぜひ、染めてほしい」とお声をかけていただいたことで、自分の中にある「家じゃ無理でしょ。アトリエとかじゃないと染められないよ」というナゾの思い込みを外せたのかもしれません。


さらに、現在ではこのタイダイ染めを購入してくださる方まで現れてきました。


5月の頭まで、ほこりをかぶっていたタイダイキットが…今では作品を生み出す道具として活躍している。



一昨日仕込んで、昨日仕上がったばかりの「めぐり手ぬぐい」


オーダーしてくださった方をイメージして、その方の「めぐり」のリズムが整うように祈りながら染めていきます。


言葉が浮かんできたときは、お名前がつきます。この手ぬぐいは『セオリツ』と名づけました。


余分な思い込みを捨てて、「出したい!」に忠実に歩んでいくと、やっぱりめぐり始める実りの秋でした。