(1)今日の同盟軍は明日の敵という言葉が日米に当てはまった
 

 第一次世界大戦で、日本は米国と同盟軍として戦いました。しかし、第二次世界大戦では、日本は米国と敵味方になりました。「今日の同盟軍は明日の敵」という言葉が日米に当てはまったのです。それは、その当時、日本が軍国主義になっていたためもあります。容易に武力に訴えようとする戦闘的な態度が身についており、話し合いで物事を行なおうとする態度に欠けていたのです。


 

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ミッドウェー海戦の模様・空襲下の空母ヨークタウン
日米は第一次大戦では味方第二次大戦では敵として戦った


 

 それで、現代歴史を考察すると、必ずしも現在同盟軍として戦っている諸国家の関係が恒常的なものではないということが分かります。軍事同盟は、自国の安全を守るのに信頼するに値しないものです。
 

 それで、賢明なのは、できるだけ戦争や戦闘を避けて、経済的な平和な協力関係を育み、国家の経済的な発展を目指すことです。

 

(2)あちこちと軍事同盟に頼るならば同国の軍事強国の怒りを招く

 

 同盟国が他の世界強国との軍事同盟の頼っていたことが分かると世界強国の怒りと攻撃を招き得ます。昔、ユダの時代の末期には、バビロンにより王が決められていた状況でした。(列王第二24:17)しかし、神は預言者を通してバビロンに服するようにとユダや周辺諸国に勧められました。(エレミヤ27:2-8)それは、バビロンの軍事同盟に頼るということではなく、反抗しないようにということでした。
 

 しかし、ユダの最後の王ゼデキヤはエジプトに贈り物を贈って援軍を頼みました。(エゼキエル17:12-17)このことを知ったバビロンは怒り、ユダを攻めて来て、エルサレムは七十年荒廃に任されることになりました。(歴代第二36:20,21。列王第二24:20-25:1)


 

Cuneiform_cylinder-_inscription_of_Nebuchadnezzar_II


Cuneiform cylinder: inscription of Nebuchadnezzar II describing restorations at Babylon
ネブカドネザル王について記録された楔形文字の円筒



 

The_Burning_of_Jerusalem_by_Nebuchadnezzar

The Burning of Jerusalem by Nebuchadnezzar’s Army wikidata:Q28801642
ネブカドネザルはユダがエジプトに頼ったのでエルサレムを荒廃させた


 
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バビロンに据えられた王であるゼデキヤはエジプトに頼ったが逃げられずバビロンに捕まる

 
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権勢を誇ったエジプトはユダに頼られたためにバビロンの前に倒れることになった


 

 それで、とりわけあちこちの軍事同盟に頼ると、その時、世界の覇権を握っている軍事強国の怒りを引き起こします。情夫は淫行の相手の不忠節に怒ることになるのです。

 

(3)米国政府にお勧めしたいこと
 

 これは、日米双方に言えるでしょう。過去の軍事同盟に関する考察はそれが恒久的なものではないことを示しています。米国が日本との軍事同盟に頼り、日本の軍事力が強くなるよう育てていけば、日本は軍事力に自信を持つようになり、日米関係が悪化した時に、米国に対して刃を向けるという事が起きえるでしょう。

 

 ですから、物事を武力で解決しようとするのではなく、平和外交と対話で極力解決するための努力を最大限に払うことをお勧めしたいと思います。確かに、聖書は自衛であれば、ある程度、聖書の神がその国家をサポートされることを示していると思います。

 

(4)日本政府にお勧めしたいこと

 

 反対に、日本が米国との軍事同盟と軍事力に頼り、その上、米国の敵対国とも軍事同盟を結ぶようなことがあれば、それは必ず米国の怒りを引き起こして、日米関係が悪化するでしょう。米国から軍事攻撃を受けるというような事態に発展することもあるかもしれません。

 

 また、日本が米国と軍事行動を共にするならば、世界に強い勢力を持ちつつある反米諸国家の怒りを招くことになります。北朝鮮はあれだけ、反米色を強く打ち出しながら、今なお多くの国々と外交関係を持っています。北朝鮮は、166か国とは国交を結んでいるということになっています。このことを北朝鮮の反米の態度を必ずしも非としない国家が多いことを意味しています。

 

 ですから、米国と平和的に貿易をすることは勧められることですが、軍事同盟を結んで共に軍事行動をとることは決して勧められることではありません。それは、大いなるバビロンの淫行のぶどう酒を地に住む者たちに飲ませることを意味しています。(啓示14:8;17:2)


 

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大いなるバビロンの淫行のぶどう酒で酔わせるとは米国との軍事同盟のために苦難を経験させ命を奪うことを意味する



 

 北朝鮮に対して米国が核兵器を用いることを期待するならば、北朝鮮の人々に、苦難と命を失うことを意味するぶどう酒を飲ませることに日本も関与することになります。それは、確かに反米諸国家の怒りと非難を招くでしょう。

 

  それで、「今日の同盟軍は明日の敵」という言葉通りのことが起きえることを思いにとめ、物事の解決を軍事力や軍事同盟に頼るのではなく、日本は従来通り、平和外交に極力頼るべきなのです。そして、米国と共に戦闘行為に携わることは避けて、神の不興を買う流血を避けましょう。