志を貫くというのは、なかなか大変なことだ。
原発への事故当時の思いを、生きていくために捨ててしまった人も沢山いる。
『今生きていくためにはどうしても原発のお金がいる、廃棄物のことはこれからの人が考えることでわしらが考えることじゃない。』
それでも、そうテレビの前で話した人にはびっくりした。
10年は、長いようですぎさってしまえば、あっという間。
そう、100年だってそう遠い未来ではない。
いったい、これからの人っていつの時代の人間なんだろう。
30年前、友人が原子力関連メーカーを辞めたときの『除染をするっていったって、ただ水で流すだけだよ。そして、その水はプールに保管するだけなんだ。人にできることがあまりにも少ない。こんなものを人が扱って良いのだろうか。』という言葉が耳から離れない。
30年経ってもそう変わらない現実に、未来に託しても解決できるかわからない問題をこんなに簡単に託していいのか?
人は不思議と自分にできないことができる人を別次元の人間と思い込む。
先生様という発想だ。
でも先生様だって、今を生きる普通の人で、たいして変わりがないということを覚えておかないといけない。
人の心はうつろいやすい。
だからこそ、自分の目で見て、自分で考える、そんな人でなければならないと思う。
次世代にまかせるなんて、言語道断だ。