「 青い壺 」

有吉佐和子

これ、初出は1976年、単行本が1977年、文庫になったのが1980年

それが新装版として再版されたのが2011年

文庫に 原田ひ香のコメントが帯になったのが 2022年

私は全く知りませんでした。



2024年11月28日に NHK「 おはよう日本 」で半世紀を経て人気沸騰みたいな特集をやっていました。( 正確には50年には少し足りないけれどね )

既に52刷64万部 … まあ、小説の売れ方としては異例中の異例ってことで。

そのテレビを見て図書館で予約をかけたわけですから彼此4ヶ月、早い方だったのかな?



私的には、有吉佐和子は「 悪女について 」の印象が強いかな〜。

死んだ 一人の人間について、色んな人が語るわけだけれど、みな 全く違う印象を持っている という話。



この「 青い壺 」は一人の陶芸家が生み出した青い壺が 色々な人の手に渡りながら、それぞれに物語がある という13の連作短編集。

そのどれもが古臭く感じないのは、テーマが人の心や関係性にあるからだと思います。

定年退職後の夫が ずっと家にいて気づまりな妻 … というのは半世紀だっても変わらないのでしょう(笑)。

これが、推理小説だと 科学の進歩で トリックとして成立しないものが たくさん出て来てしまいますからね〜。