「 夜が明ける 」
西加奈子
もうね、既に 装幀が怖い …
いや、ホラーではないのよ。だから、もっと怖い。
歯を食いしばって 耐えている若者らしいです。
貧困、虐待、過重労働、パワハラ、セクハラ …
現実の問題だから、怖い。胸が軋む。
そして、読後感は悪くないけれど、最後まで読んでも 夜は明けない … 少し希望が見えて来た … くらいで終わってる。
惹句にもなってるから引用すると
「 自分には、困ったときにあらゆる人に助けてもらう権利があるんだって。」
作者は、そうでない側にいる人に もっと現実に向き合え、考えろ! と言い
喘いでいる人には 助けを求めて良いんだよ と言っているんだろう と想像した。
どちらも難問。
難民支援や 被災地支援も … 本当に必要な人のところに どれだけの割合で届いているのかな といつも思う。
何もしないよりは良いからと思って 自分に出来ることとして、寄付もするけれど … 顔が見えないからね。
子どもに言っていたことがある。高校生、大学生の頃かな …
もし、お父さん、お母さんが普通に死んでも、あなたたちが困らないだけのお金が残る。
けれど、もし、何かの事情で お金が無かったとしても、今まで受けた教育の中で、あなたたちは 困った時に どうすれば良いかを 調べたり 行動することが出来るハズだから
公的機関や 学校の制度をフルに活用して 卒業しなさい って言っていました。
不測の事態は起こることなく、子どもたちは卒業し、就職しましたけれどね。
何かあった時に、調べたり、考えたり … 助けを求めるっていうのは、実は 凄く高度で 難易度の高いミッションなんだと思います。