「 馬鹿みたいな話 昭和36年のミステリ 」


辻真先



作者の 昭和シリーズ 3作目です。


ラジオからテレビに時代が移行する頃の 生放送のテレビ業界の話。




作者、御年91歳。


実際に 脚本など、テレビの仕事をしてきた 業界の人のリアリティなんだろうけれど


まだ 昭和36年では、私も生まれていないので


これが、48年、更には 60年になれば、もっと 作中の時代背景が わかりやすくなって行くのかな と思いました。


法律も人々の価値観も、時代によって変化して行くから … 


前時代で、罰せられていたことが そうでなくなったり


前時代で、咎められなかったことが のちに弾糾されたり


人は、その中で、精一杯 やってきたんですよね。



作中、

「 馬鹿みたいな話 」とラスト2ページで太字で出てくるんですけれど …


昭和36年のテレビマンが、実現不可能な「 馬鹿みたいな話 」と言っていることは、現在 当たり前に行われていることなんですよね。


もはや、昭和でも、平成でもなく … 時代は令和ですからね〜。



あとがき が 作者の実体験部分の解説で、面白かったです。


シリーズ 三作に登場する 那珂一兵のモデルが 永島慎二 とあって、ググったら 作中人物以上に破天荒な人のようでした!



追記

お友だちが教えてくれました。永島慎二は「 黄色い涙 」の原作者でした!