「 答えは市役所3階に 」


辻堂ゆめ



ミステリと言うのとは違うんでしょうけれど … 


推理モノみたいな感じです。


コロナ禍に、市役所に設けられた「 こころの相談室 」


そこに やってくる当事者5人目線の話と、その後のカウンセラー2人の種明かし的な会話。


5つの短編のようで、細く 繋がり合い一冊になっています。




世の中は、常に動いていて、個人の努力や裁量では 如何ともし難い波があり …


それは、就職氷河期だったり、コロナ禍だったり


何で、人生の このタイミングで …


というようなこともあるでしょうし


3年という年月の長さも 重さも 人によって違うから …


扉ページに一行書かれた


「 これは、二〇二〇年のどこかにいた、誰かの物語。」


が沁みます。