「 残像に口紅を 」


筒井康隆


1989年に書かれたもの、文庫初版は1995年


「 世界からことばが消えてゆく小説 」


「 究極の実験的長編小説 」


という惹句。


単行本は途中から封がしてあったというのね …

「 ここまで読んで面白くなかったという方は この本を送り返してください。代金を返します。」 と但し書きがあったのだとか。


文庫本には 袋とじはありませんが、袋とじの復刻版も出ているらしいのよ(笑)。




そういえば、嵐にしやがれ で 又吉さんが 紹介していた「 生者と死者 」 も切り開いて読む仕掛けだったわ。


当然、図書館の本は切り開かれた状態だったので、未開封のものを買いましたよ。


長く作家業をやっていると、そういう実験的なことをしたくなっちゃうんでしょうかね〜。




作家の力量が凄いからなんでしょうが、最初の方は「 あ 」が使われていないんだ〜とか、一文字ずつ 確認しながら読み進めないと気づかないくらい自然に文章として成立していて


でも、その先を想像するに 次第に 苦しい展開になるんだろうということはわかるわけで


50ページ目で「 その残像に薄化粧を施し、唇に紅をさしてやろう。」とタイトルに繋がる描写が出てきて …


これを読んで何を感じるか … は個人差なんだけれど、小説自体よりも


文庫巻末に これを題材に卒論を書いた人の話があって … 気力が続かず その部分はちゃんと読んでいないのだけれど m(_ _)m


あー、こういうことを卒論にするって面白いよね〜って思いました。




で、もはや恒例 … この本を読もうと思った きっかけを思い出そうとしていたんだけれど、


どうも TikTok で本の紹介をしている人がいて、そこで凄く話題になって、増刷されたらしいので …


そのニュースでも見たのかな?


SF 御三家のお一人だけれど、星新一は たくさん読んだんだけれど … 筒井康隆は読んでいなかったみたい。


今回の作品は 使えない言葉の 言い換えが多かったせいもあるだろうけれど、日常使わない言葉が多かったので 結構 確認のため 調べながら読むことになって … 私は 話題の本に目を通した 的なところで終わってしまった感。


これを ちゃんと読んで面白がるには それなりの「 素養 」が必要だと思う〜。


TikTok 世代の若者よ、頑張れ〜。