頭にマフィンをのっけた猫が言ふ
ぼくら、愛を持って逃げようか。

むぎしお


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



重い扉を、ぐいー、と押して
ひらこうとするように

お腹に、ぐっと力を入れつつ
冊子づくり、を、ゆっくり。


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きのうは、空想デパートメントを印刷。
とりあえず、30冊分、刷った。



すこし、ぐらぐら、する。

これ、良いBOOKかしら?と。


なんせ、ちっぽけなわたしから出た
ことばたち、だもの

優しい、あたたかい、なにかを
そこに、宿しているかしら?

と。


祈るような気持ちに、なる。


奢って書いていないか?

ことばの魔術をやたらめったら
使っていないか?

謙虚に、思いを
より、素直に表したか?



ぐらぐらする日は
ぐらぐらのままで

振り子気分を、楽しむ のだが。



印刷、すると、たぶん

わたしから、文章が離れて
客観、というまなざしが

わたしのなかを満たすからだろう。



この、コワサに
わたしは、全身をひたして

こころ、オトコマエになりたい。

それでも、もくもくとやるの、だ。



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夏は短い、秋も短い。
でも、冬は、長い。
籠をかかえて、畔をゆく人よ。

むぎしお





池Instagramより


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このごろの愛聴盤。
小室等
【私は月にはいかないだろう】
オリジナル発売は1973年の
六文銭解散後のソロ・デビュー作。
わたしが4才のころ
日本の音楽シーンは
うんとこさ、かっこ良かったなあ
と、思うことしきり。
別役実
谷川俊太郎
高橋睦郎
茨木のりこ
大岡信
など、そのころの気鋭の
脚本家、詩人、歌人などの詩に
小室さんが曲をつけて、歌っている。
茨木のりこさんの詩の
《12月のうた》
熊はもう眠りました。
栗鼠もうつらうつら
土も木々も
大きな眠りにはいりました。

ふと、思い出したように
声のない、子守唄
それは、こな雪、ぼたん雪
なんて、ハジマリが大好き。
2年前に、谷山浩子さんの
猫森集会で、小室さんの歌と
ギターに触れて以来
ゆっくりゆっくり魅了されている。
最近、谷川俊太郎さんとのコラボで
アルバムを出された。
谷川俊太郎さんと
ライフワークのように続けられる、
ことばと音のコラボレーションは
詩の朗読が好きなわたしには
ご馳走、だ。
ちなみに、多摩美彫刻科の学生だった
小室さんの手は、すごーく美しい。
彫刻とギターの手、なんて
極上品に決まってる☺️
#小室等#わたしは月には行かないだろう
#bellwood




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村上春樹訳のカポーティが
とても、好き。
秋から冬の、雨の朝には
ぴったり、で
ここに収められた短編
ティファニーで朝食を
花盛りの家
ダイアモンドのギター
クリスマスの思い出
は、どれも、かちり、と
鍵をかけるかのように
わたしを《ひとりぼっち》に
してくれる。
小説《ティファニーに朝食を》は
オードリー・ヘプバーン主演の映画とは
じつは、遠く離れた物語。
ストーリーが、というより
キャスティングから来る空気感や
また、カメラが捕らえるまなざしが、
packageはよく似ているけれど
離れたところにある
惑星のように違うのだ。
映画は映画として愛しつつ
また、こちらも
ぜひ、読んでみてほしい。
最後に収録されている
《クリスマスの思い出》は
わたしも、20才の長女も
愛してやまない、一編。
冬が来れば、毎年一度は読み返し
掌のなかに温室ができたような
そんな気分になり、
必ず、コーヒーを飲みに
静かなカフェへ行ってしまう。
『フルーツケーキの季節が来たよ!』
と、知らない誰かにも告げたくなる。
また、秋から冬が来る。
また、これを読む。
我が人生のシアワセなルーティン。
#カポーティ#ティファニーで朝食を
#新潮文庫#村上春樹訳 
#クリスマスの思い出
#本好き #本の虫


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



さまざまなものに溢れる世界。

バタービールも、シナモンティーも
夏を閉じこめたプラムのジャムも

喋らないから、好きなのよ。


わたし、喋らない文章を書きたい。


わたし、を、語らない

絵のような、写真のような
音楽のような、料理のような

文章を書きたい。



わたし、は、煙か
湯気か、朝の露が葉から溢れる

それを受ける、土みたいに

ただ、在る、だけで


ことばを紡ぎたい。



苦労しよう。
努力しよう。
精進しよう。



流行らない、ことば だけど
わたしは、いま、それをやりたい。





生活の、沈む
果てない大陸を
ひたむきに耕していこう。

わたしは月には行かないだろう。

むぎしお



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さて、にちようびは

いちにちの半分は眠る
オットー氏の横で

また、BOOKを。



もく、もく、黙。




空想家sio