いちにちの労働を
ようやく終えて
両手に
買い物袋を提げて
4階までの階段を
えっちらえっちら
登ってきた わたしを
小さな古い家が
のんびりと
迎えてくれる。
秋灯しの下
親しげに
『おかえりなさい』と。
★ もうすぐだから、と、ふくろうくんの隣に
ムーミン谷の11月の文庫本を、置いてみた。
冬が来たら、ムーミン谷の冬に変えよう。
やれ
うれしや、うれしや。
最近、家の中を
少しずつ片付け始めたら
押入れにしまっていた絵本が、
だんだんと、すがたを現しだして
こんなのや
こんなのや
こんなのが
また、わたしに
『秋ですねー、
ワンドリンクならぬ
ワンどんぐりで
ぼくらの旅に出ませんか』
と、話しかけてくる。
『いいねえ、ぜひ
いきたいねえ』
ちょうど、明治神宮で拾った
どんぐりが 手元にある。
もう、わたしには
『これ、読んで』
と、膝や肩に
まとわりついてくる
小さな腕や、
まんまるほっぺの子らは
いないけれど
それでも、ふたたび。
やれ
たのしや、たのしや。
思いついて
そのむかし、sioが
書いていた【たんぽぽ通信】を繰ると
ある年の10月半ばの35号に
小さな腕やまんまるほっぺの子らが
愛した、(その時の)本棚が映っていた。
sioが、季節ごとに
整えた、本棚。
古い絵本が
今も、光ってる!
おじいちゃん、おばあちゃんに送っていた家族雑誌!
やれ、
なつかし、なつかし。
秋の夜長。
sioは、蜜柑を籠に
並べながら
(ごはんはもう食べたのよ)
過去と現在と未来が
一緒になっている場所へ行く
煌めく ぬけ穴 を
くぐっているのです。
(諸君
秋はmagicalなのですぞ)
ピップ パップ ギー!
ゆらゆらと
sioでした。