第92回全国高校サッカー選手権大会。

今年も様々なドラマがあった。

特に決勝戦の富山第一の逆転劇は鳥肌ものだった。

そして、その逆転にまつわる感動的エピソードを紹介したいと思う。

勝利目前の後半ロスタイム、スコアは星稜が2-1でリード。

富山第一の左SB竹澤がドリブルでバイタルエリアに侵入、星稜DF森下は思わずスライディング。それが足に入りPK献上。

そしてPKは成功し試合は振り出しに。

くしくもこの森下と竹澤は同県(石川県)出身で中学時代はトレセンで同じチームメイトで今も連絡を取り合う親友であった。

歓喜の富山第一とうなだれる星稜。試合は延長戦へ突入。

自分がPKを与えたショックから立ち直れない森下。

延長戦のキックオフ直前、エンドを入れ替える際、涙ぐむ森下に竹澤がすれ違いざま、
「まだ延長があるから切り替えろ」
と声をかけた。

しかし富山第一の勢いは止まらず後半9分に決勝点をあげ初優勝。

試合終了後も竹澤は森下のところに歩み寄り声をかけた。
「同じ石川県、同じ地区の出身で、こうやって2人で国立の決勝を戦って、優勝も準優勝も関係なく、すごいことだろ。胸を張って帰ろう」






何が何でも勝ちたい決勝戦。
そんな中、友人といえ、相手チームの人間を気づかい、励ますことのできる思いやり。

うちのサッカー小僧達にも聞かせました。
黙って聞いていたけど、伝わったかな。