自身の勉強も兼ねて、扱った症例を残しています。
個人情報は個人を特定できないように、一部変更しています。

60代女性、数日前から気がせいて夜も途中で目が覚め、今日は下半身から何かが喉の方まで昇ってきてパニックのようになったとのことです。

顔は青白く、脈は弱く早いものでした。

肩と首は凝っていて、腰のあたりは力が抜けたようになっていました。

 

いわゆるストレス性のパニック発作ですが、中医学では「奔豚(ほんとん)」と呼ばれる現象です。

これは子豚が上に登ってくる状態をたとえた表現です。

本来は臍下に収まっている腎の気というものが、ストレスなどで体調を崩した時に上に登ってきたものだと思いました。

 

ハリで首周辺の気の流れを整えていくと、首の緊張が取れ、顔に赤みが差してきました。

気分も落ち着いたということなのでホッとしました。

 

セルフケアとしては、腎に関係する足首の「復溜(ふくりゅう)」というツボにお灸をすることが有効です。

また漢方薬は、こうした症状だと通常半夏厚朴湯というものを使うのですが、今回は腎が絡んでいるので桂枝加竜骨牡蛎湯の方が合いそうだと思いました。