天界ブログ

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玉響の神秘に浸り
ファインダー越しの夢幻世界を詠う


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もし愛を伝える唇が、凍ったり心を溶かすルーペなら、この瞬間から、私たちは新たな航路に舵を取る。


愛のささやきが、心の奥深くを照らし出し、変わりゆく自分たちを、優しく包み込むだろう。
  

そう、私は信じている。


愛の力で変わる私たちを、言葉の橋を渡りながら、真実の自分に近づくたびに。




 
追悼
 




ウラジミール・シクリャローフ
 

 

 

 
 
彼の踊りを初めて目にしたとき、まるで時間が静止したかのような感覚に包まれた
 
ウラジーミル・シクリャローフ――その名は異国の風を運び、彼の存在そのものが一篇の詩
 
舞台の上で彼が紡ぎ出す動きは、繊細でありながら力強く、見る者の心にそっと触れる
 
彼の一挙手一投足には物語が宿り、その物語は言葉では語り尽くせないほど深く
 
彼はバレエという芸術を超え、人間の持つ感情や記憶、そして夢を踊りで表現する稀有な存在
 
シクリャローフの舞台を目にすることは、夢幻の世界への扉を開く
 
彼が見せる瞬間の美しさは、心に刻まれる
 
とこしえに
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

空中で数秒間、彼は止まっているように見える――その静止は、まるで人間の身体を超越した神聖な現象そのもの。

 

彼の舞う姿は、私たちが知る「動き」の概念を超え、別の次元に存在しているようでした。

 

一つ一つの動きが、彼だけの時間軸を紡ぎ出し、それは目の錯覚かもしれませんが、あまりにも丁寧で、繊細で、まるで一本の美しい絹織物が舞台上に広げられていくような感覚を覚えました。  

 

そして、その姿を見つめるうちに、私は別の世界に吸い込まれるような錯覚に陥りました。

 

その錯覚は夢のように残像として心に刻まれ、彼の初めて目にする舞が、なぜか私の記憶の中で撮影した満月の光景と重なったのです。

 

それは、欲することすら罪深く思えるほど美しい、儚くも魅惑的な童話の王子のような姿。

 

オスカーワイルドの『幸福な王子』が思い起こされ、その優美さと悲しみの交錯が、私の涙を止めることを許しませんでした。  

 

舞台の上で彼が見せるプロフェッショナルな輝きの裏側に、彼自身が向き合った苦しみがどのようなものだったのか、私たちは想像してはならないでしょう。

 

ただ、その深さを受け止めることだけが許されるのだと感じます。

 

どうか、安らかに―― 心から冥福をお祈りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

天界

@tenkai_oracle

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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