ゆかん

 

というそうだ。

 

どういう字かはすっかり忘れた。

 

とりあえず、身内が亡くなったときに

通夜の前に遺体をお風呂に入れることを指す。

 

で、ふつうはこの「ゆかん」

 

専門の人がやってくれるので見る機会は無いんだが

今回は参加できるそうなので

おもしろそうだデレデレと行ってみた。

 

こんな娘でごめんなかーちゃん

(反省はしていない)

 

白衣着た専門の方が待合室までやってきて

お風呂がセットしてある部屋へ。

 

横になれるお風呂で肩までつかって

のんびりしているおかーちゃん。

 

・・・生きてないよな!?アセアセ

 

焦りたくなるほどふつーの状態。

 

体全体にはタオルがかけられているので見えないが

手や肩を洗ってあげてくださいと言われて

もらったゴシゴシタオルでごしごしごし…音符

 

ちょうどいい感じの湯温で温まったせいか

手も肩もぬく〜〜〜いのね。

 

「かゆいところはございませんかぁ?」

「ぬくいなー、いいなー、私らこの暑い中歩いてきたから

 汗びっしょりだもんなー」

 

などとふざけてたら係の人が笑顔でひとこと。

 

「お亡くなりになって話すことはできなくても

 耳は聞こえてらっしゃるそうですよ」

 

・・・・・ごめんなさい。

 

終わって通された控え室は、大型テレビのあるリビングと

ふわふわのお布団が押し入れに詰まった和室の続き間。

のぞいたお風呂は大人3人くらいでゆったり入れる広さで

テレビまで視聴可能です。

ここで通夜の夜は泊まり、翌日の葬儀までのんびり過ごす。

 

ちびハルときゃっきゃうふふしてたら

さっきの係員さんが呼びに来た。

 

飾り付けられた祭壇には、真っ白な棺桶。

中には真新しい白の旅装束のおかーちゃん。

お遍路さんの格好で、草履まで履いてた。

 

この装備で通夜と葬儀を終えれば

かーちゃんは長い長いおさんぽに出かけていく。

 

お坊さんの読経を聞きながら、

火葬場のコンテナに中へ運ばれて行くとき

行き止まりの炉の向こうに

どこかに続く道があるような気がして。

 

おかーちゃん

 

いってらっしゃいラブラブ